『その手があったか! 「ニッポンのたたき台」』 ~民管理職39人のタスクフォースが考えたニッポンを鍛える55の提言
序章より一部抜粋

「子ども達が大人になったとき、日本は世界の中で胸を張って生きていけるのだろうか」

驚くべきスピードで進む少子高齢化、かつての勢いを失ってしまった産業競争力、主要国の中でとりわけ低い食料自給率、年々拡がり続ける地域の格差、東日本大震災で露呈したエネルギー政策の揺らぎ、日本近海で繰り広げられる近隣国の不穏な活動・・・日本は、国の存続に直接関わる危機に直面しています。

今の子ども達が大人になったとき、日本は、世界の人々と共に新しい価値や喜びを創造できる国であるでしょうか。私たちが子ども達にこの日本を引き渡すときに、世界の人々が憧れる日本であって欲しい、子々孫々、自ら誇りの持てる国であって欲しい。そのためには目の前の危機から目を逸らし続けるわけにはいきません。

このような危機感を胸に、私たちは集まりました。四半世紀にわたって毎年、1年間のプログラムで実施されている「フォーラム21・梅下村塾」という研修会の同志として、「あるべき、この国のかたち」を想い、たたき台となりうる具体的な政策を提言するためです。メンバーは、企業や官庁で働く40代半ばを中心とする39人で、民間企業の30人は原則として1業種1人、官庁の9人もそれぞれ別の役所にいます。

"たたき台"をつくろう

「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」

日本国憲法前文の一節です。敗戦により灰燼に帰した国土に呆然とたたずみ、しかし、またいつか国際社会の主要メンバーとして復活することを誓った、強い「志」が伝わってきます。今ひるがえって、日本はこの理想に着実に近づいているでしょうか。かつて長所と讃えられた公共心は薄れ、自分勝手な利己主義と刹那主義が顔を覗かせてはいないでしょうか。大胆で先鋭的な発想や逸脱者を嫌い、変化を恐れる画一化と悪平等を助長してはいないでしょうか。

このままでは本当に大切な人材は流出してしまいます。資源のない日本の国際競争力は「人材」です。知恵と技術の源泉である"人"こそが"資源"の国なのです。

私たちは、日本がこんな国であって欲しいと願っています。

――社会の平和と発展のため、人を資源とし、新しい価値や喜びを共に創造する国
――自然や他人を慈しみ、知恵と技術で助け合い、努力と誠意がネットワークされる国
――環境の変化に迅速かつしなやかに対応しながら、公正で活力に満ちた責任ある国

今乗り越えるべきは、変化を恐れる怠惰な姿勢です。人を育て、創造力をつけて、未来を切り開いていく志を持ちましょう。そうすれば、きっと「ニッポンのたたき台」が見えてくるはずです。

「教育」「資源」「安全保障」そして「憲法」

今回、ニッポンのたたき台を検討するに当たって、私たちは「教育」「資源」「安全保障」「憲法」の4つのテーマを設定しました。

日本は人こそ資源の国。人づくりの基礎はやはり「教育」にある。安定した「資源」の確保なくしては、モノづくりも経済成長もありえない。世界のパワーバランスが変わりゆく中で、まさに今こそ「安全保障」が問われている。そして、これらのテーマを論じるうえでは、国の"背骨"である「憲法」を避けて通ることはできない。4つのテーマは、こんな問題意識を背景としています。

私たちは何を問題と捉え、これとどう格闘したのか。以下では、その一端を、私たちの提言集『その手があったか! ニッポンの「たたき台」』の序章から抜き出してお伝えしたいと思います。

『その手があったか!ニッポンの「たたき台」』

フォーラム21・梅下村塾「あるべき、この国のかたち」を考える会
丸善プラネット・税込み1,575円

今の子ども達が大人になったとき、ニッポンは、胸を張って生きていける国になっているだろうか?
「教育」「資源」「安保」「憲法」官民管理職39人のタスクフォースが考えたニッポンを鍛える55の提言。

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