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任天堂(米国で惨敗)「売れないWiiUで大赤字(350億円)」から何を学べるか
フライデー

といった書き込みが見られた。ITジャーナリストの新清士氏が言う。

「下方修正の原因は、据え置き機Wii U('12年末発売)の世界的な不振です。当初、今期で900万台という販売目標を立てていましたが、今回の修正で280万台まで見込みを減らした。前作の『Wii』は、従来のゲームより性能を抑えてシンプルにする戦略で家族という市場を開拓しましたが、今回は失敗です」

Wii Uの不振には二つ理由がある。

一つは、同機の「画面をコントローラーとテレビの二つに分ける」という機能に、ユーザーが必然性を感じなかったということだ。ゲームアナリスト・平林久和氏が言う。

「『画面を二つに分けて何ができるんだ』という反応も多かった。これまで任天堂は『ニンテンドーDS』の『タッチする』機能や、Wiiの『コントローラーを振る』機能が受けてきましたが、Wii Uの機能では今のところ新しい遊び方が確立されていません」

もう一つの理由は、魅力的なソフトがそろっていないということ。前出・量販店の担当者が言う。

「子供連れのお客様がやってくると一応、Wii Uを見るんですが、すぐにお子さんのほうが、人気のシリーズを多数展開する『ニンテンドー3DS』の売り場のほうに走って行ってしまいます。みんな『友達が3DS持ってるから』と言うんです」

ソフトが集まらないのは、任天堂の会社としての方針が影響している。

「任天堂は今回、『画面つきコントローラーに対応したソフトを開発してほしい』という条件をソフトメーカーに出しています。メーカーにとってはコストが余計にかかりますし、『Wii Uで出しても売れないし元が取れない』と開発に二の足を踏んでいます」(前出・新氏)

生前、任天堂を世界的メーカーに押し上げ、昨年9月逝去した前社長・山内溥氏にはこのような口グセがあった。

「ユーザーはおもしろいソフトを楽しむために、しかたなくハードを買うのだから、ゲームの命綱はソフトにこそある」

今この言葉を実践しているのは、むしろライバルのソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)だ。同社が昨年秋に欧米でリリースし、2ヵ月で420万台を売り上げたPS4は、中小のメーカーが同機向けソフトを開発する場合、SCEが協力することを戦略としている。