伊藤春香×長谷川幸洋×藤村厚夫×堀義人×瀬尾傑【第2回】ジャーナリストも経営者もサラリーマン感覚では自由なことが言えない
『生・ニッポン未来会議』より
左から、瀬尾傑氏、伊藤春香氏、長谷川幸洋氏、藤村厚夫氏、堀義人氏

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現状認識のぶつけ合いが議論を生む鍵になる

瀬尾: 今のメディアが問われているのは問題設定能力だと思うんですね。テレビもそこが非常に弱くなっている。先ほど長谷川さんが問題提起されていましたが、たとえば特定秘密保護法案については、絶対賛成か絶対反対かという極論ばかりが出ていて、その間にある「じゃあ現実的にこの法案をどう変えていけばいいのか」という議論は、ほとんどテレビで行われなかったわけですね。

 このニッポン未来会議は、批判から提案、思想より行動、リーダーシップへという考え方、それはテレビに限らずメディアが失っている機能の一つを、堀さんが提案されたんだと思うんです。

 では、なぜ今の既存のメディア、テレビのなかではそれが失われているのか。長谷川さんが『2020年新聞は生き残れるか』という本のなかにも書かれているんですが、なぜメディアはアジェンダ設定能力を失っているのか。それについては長谷川さんはどのようにお考えですか?

長谷川: 私は、現状認識のぶつけ合いが、もしかしたらその問題を解く鍵になるんじゃないかと思うんです。政党や政治家はそれぞれの政策なり対応策みたいなものは持っているわけです。それがテレビや新聞というもののなかで、いわば空中戦のように闘わされているわけです。

しかし、政策というのは現状に対する対応策ですから、そもそもの現状をどういうふうに認識しているのかということがいちばんの基礎なんですね。じゃあ、その現状認識についての議論はあるだろうかというと、私は実はテレビや新聞のようなメディアに欠けているのはそこなんじゃないかと思うんです。