原発をなくせば核兵器開発技術もなくなる。安全保障上の重要な問題が見えない細川・小泉連合の「脱原発」 ほか

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol029---くにまるジャパン発言録より
本コーナーは、佐藤優さんが毎月第1金曜日と第3金曜日に出演している文化放送「くにまるジャパン」での発言を紹介します。今回は1月17日放送分をお届けします。野村邦丸(のむら・くにまる)氏は番組パーソナリティ、伊藤佳子(いとう・よしこ)氏は金曜日担当のパートナーです。

邦丸: はい。そして来週の木曜日(1月23日)が告示になります東京都知事選挙。自民党が推しております舛添要一さんに対して、細川護煕元総理──バックアップとして小泉純一郎元総理がついて、細川・小泉陣営と言われています。こちらのほうも、さてどうなるか。

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邦丸: 細川さんと小泉さんのタッグというのは、佐藤さんはどうご覧になりますか。

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佐藤: 「脱原発」はおっしゃっていますよね。でも、「核兵器の廃絶」は言っていないですよね。じゃ、核を独自開発するんですかね。

邦丸: ふむ。

佐藤: なんか、いろいろわからないことが多過ぎるんですよ。要するに、通常は「脱原発」に併せて「核廃絶」を言うんですよ。それによって「核のない世界を」ということですよね。ところが、後段は絶対に言わないですよね。原発をつくるということの一つの大きな目的は、原発という形で、核兵器を開発する技術を持ち続けるということなんです。原発を失くしてしまうと、核兵器を開発する技術がなくなっちゃうんです。そこのところをどうするかは、安全保障上の重要な問題なんですよね。そこがよく見えないです。

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東京に原発はなくても、東京は原発の最大需要者ですからね。東京が原発にどういう方針を示すかによって、日本のエネルギー政策が変わってきますよね。それから、アベノミクスも変わってくる。もし、原発ゼロにするということなら、2つの巨大利権が生まれます。

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佐藤: 1つは、核廃絶ビジネス。これは原発1基当たり1兆円と言われているのだけれど、今まで誰もやったことがないでしょ。実は、軍産複合体、軍事産業と同じことなんです。たとえば、零戦と同じです。ビス1個で1000万円かかると企業が言えば、国はそのとおりにカネを出さなければならないんです。市場がないから。

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それから、原発をやめるんなら火力発電をやらなければならないから、アメリカのシェールガスを持ってくることになる。日米同盟を強化するし、アメリカはウハウハ喜びますよね。こういう利権構造があります。

マイナスになるのは何かといえば、エネルギーのコストが上がりますから、日本製品の価格は全部上がる。当然、経済は失速します。そうすると、アベノミクスはうまくいくのかなということになる。こういう問題をはらんでいると思います。

ですから、「脱原発」がぐっと進むという雰囲気が国際社会で強まると、円は高くなって株は安くなる。私はそういう方向に向かうんじゃないかと思います。……(略)