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イカれてないか!東電と巨大銀行 「生き残り」と「ボロ儲け」で利害が一致。最後は税金を食い逃げする気だ

野山を走り回る子供が首から線量計をぶら下げている。住み慣れた家を離れて仮設住宅で年を越した家族がいる。いまなお過酷な福島の現実を顧みずに、東電と巨大銀行が原発再稼働へと動き始めた。

再稼働を勝手に決めるな

「そもそも福島原発事故の検証が十分にされていない中で、同じような事故が起きた時にどう対応すべきかの検討もされていないのに、再稼働の議論はできません。東京電力の経営者は、福島第一原発がメルトダウンしているのを2ヵ月間も隠し続けましたが、そうした隠蔽がどうして起きたのかさえ明らかにしていない。

汚染水の問題にしても、現場は早い段階から対策を練っていたのに、東電の経営陣が安全よりカネの問題を優先して、むしろ現場のプランを止めてきた。銀行から借り入れができないと、おカネの問題を言い訳にして、やるべきことをさぼってきたのが経営の現実です。借金や廃炉、汚染水への対処に加え賠償問題で社長の頭の中の9割がいっぱいになっている状況で、原発の安全な運営などできるはずがありません」

こう憤るのは、新潟県の泉田裕彦知事である。

東電が昨年末、驚愕するような計画をまとめた。東電と、東電の過半数の株を握る政府の原子力損害賠償支援機構(原賠機構)が作った総合特別事業計画=再建計画の中に、新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働を盛り込んだのだ。

関係者の話を総合すると、再建計画では、柏崎刈羽原発の6、7号機を今年7月に再稼働させるのを手始めに、その後に1、5号機と順次再稼働させるシナリオが描かれているという。

全世界を震撼させる原発事故を起こした反省などなかったかのように、東電が原発再稼働という「暴挙」に向けて一直線に突き進み始めたのだ。

続けてこの再建計画がまとまると、原発再稼働を後押しするように、三井住友銀行、日本政策投資銀行などの巨大銀行が東電へ5000億円の融資を実行した。

周知の通り、柏崎刈羽原発は、現在原子力規制委員会が安全審査中で、再稼働できるかどうかは不透明な状況である。再稼働には地元の新潟県知事の了承も必要だが、泉田知事は冒頭のように反対の姿勢を続けている。

つまり、東電はできるはずもない原発再稼働を前提にした黒字計画を作り、巨大銀行も「黒字になるなら貸しましょう」と巨額マネーを東電に融資したことになる。東電と巨大銀行の間では、原発再稼働はすでに「決まったこと」として話が進んでいるのである。

どうしてそんな「狂気の沙汰」が行われるのかは理解しがたいだろうが、59ページの表をご覧いただければ、そのカラクリが一目瞭然でわかる。

これは東電と金融機関の間で、どのようなカネのやり取りが行われているかを詳述した相関図である。金融機関に巨額の〝東電マネー〟が次々と流れ込む様が一目で見て取れる。

「(最上段の)約4兆5000億円融資の大半を占めるのが、メインバンクである三井住友銀行を筆頭に、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行のメガバンクや三井住友信託銀行などの主力銀行です。それぞれ1000億円単位のカネを融資し、潤沢な利息を受け取っています」(大手証券会社幹部)

ほとんど知られていないが、原賠機構や政府を通じて東電にカネが流れる「別ルート」を通じても、金融機関は相当な額を受け取っている。

「たとえば'12年7月に原賠機構が東電に1兆円出資した際のカネは、金融機関による融資で賄われています。この融資は1年や半年と短期のため、借り換えるたびに金融機関の懐にカネがジャブジャブと転がりこむことになる仕組みです」(同前)

どの銀行に融資してもらうかは入札で決定されるため、その入札にかかわる業務が、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行に委託され、億単位の額を3メガバンクは得ている。入札の度に業務委託するので、ここでもその都度カネが金融機関に入ることになっているのだ。

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