この先に待っているのは「戦争」 3ヵ国同時取材「嫌中」「憎韓」「反日」何でお互いそんなにムキになるのか?日中韓激しすぎる憎しみの連鎖

2014年01月27日(月) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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「現在の習近平政権は、中国の『最弱の帝王』とも呼べます。外交だけでなく、経済もダメ、環境もダメ。習政権になったとたん、煙霧に襲われて市民の不満も爆発寸前です。直前の胡錦濤政権より、自分たちのほうが強いと主張できる唯一のポイントが対日強硬路線なのです。かつて共産党政権は反日デモを外交の手段として利用していましたが、いまや反日が目的になってしまっている。『人民日報』トップの楊振武は、河北省の地元記者だった時代に習近平と出会った『お友達』で、大した地位にもいなかったのを習近平が引き立てた。中国マスコミが口をきわめて日本を罵る傾向は当分、つづくでしょう」

一方の韓国では、少し事情が異なる。現地の声を聞くと、意外なことに「騒いでいるのはマスコミだけ」という冷めた意見も多い。

日本のネット右翼を追った著書『ネットと愛国』で知られるジャーナリストの安田浩一氏はこう話す。

「最近、韓国の大学に招かれて講演などに行き、話を聞く機会が増えました。すると意外なことに、韓国の若者たちの間では、竹島や従軍慰安婦問題での日本批判は、あまりにも定番すぎて、もはや盛り上がらないネタだというんですね」

日韓関係の研究をつづけている静岡県立大学の小針進教授も、こう話す。

「韓国のマスコミには、一種の規範意識として『日本の政府・要人が歴史問題で右傾化した言動を取ったら、徹底的に叩かなければならない』ということが根付いています。それで韓国紙が激しい調子で安倍首相を非難した、というニュースが日本に流れてくるわけですが、一般の韓国国民の感情はもっと多様です。

日本への反感は、高齢世代よりも、日本の植民地時代を知らない40~50代で強い面がある。彼らは軍事政権下で学生運動をしてきた人々ですが、米国と日本が軍事政権を支えたという反感がある。古代には弟の国だったはずの日本に優位に立たれたコンプレックスもある。しかし10~20代になると、このコンプレックスはほとんどありません」

前出の安田氏は、韓国ではむしろ、若者が中国系の移民労働者などに敵意をむき出しにすることが問題になっていると話す。

「韓国では、日本でいう2ちゃんねるのようなウェブサイトで、イルベというものがあり、中国系移民に対して『仕事を奪う』『福祉制度にタダ乗りしている』『文化を乗っ取ろうとしている』と憎悪を向ける書き込みが増えているのです」

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