特別読み物 2月7日さあ、開幕だ!ソチ五輪「7つのライバル物語」(後編)モーグル上村愛子、スノーボードハーフパイプ平野歩夢ほか
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いきなり金を狙う者がいれば、十年余の歳月をかけて掴みに行く者もいる。'98年の長野五輪以来、5大会連続での出場が確実視されているモーグルの上村愛子(34歳)である。

長野五輪7位、ソルトレイクシティ五輪6位、トリノ五輪5位、W杯年間総合優勝('07~'08年)、世界選手権優勝とステップを踏み、バンクーバーで完全燃焼するはずがまさかの4位。

「私は何で一段、一段なんだろう……」

と涙したシーンは印象的だった。もう12年間も頑張った。これ以上、何をどう努力すればいいのか—。

競技から離れ、主婦業に専念した。スキーは趣味で楽しむことにした。もちろん、モーグルの板ははかない。あるとき、斜面にコブを見つけたが、アルペンの板で器用にクリアした。

「コブを滑るの、うまいな」

夫・皆川賢太郎の一言で気が付いた。

スキーは楽しい—。