AR三兄弟・開発者/川田十夢さん【第3回】
「自分の存在に紐づく罪悪感、言い方を変えると使命感がある」

写真:片岡和志 会場提供:アバッキオ

【第2回】はこちらをご覧ください。

未来を見せるARの作品たち

米田 じゃあ、ここで作品を見せてもらっていいですか。

川田BUMP OF CHICKENと一緒に作品を作る仕事もやっていて……。音楽との出会い方がもっと色々あっていいんじゃないかっていうところで、空間が視聴器になるっていう概念から作ったんですよ。

米田 アルバムの楽曲が部屋に散らばるってことね。

川田 それでご本人登場っていう。これは音楽との出会い方っていうか、空間を演出したいなって思って。あと、これはテレビには出なかったんだけど、AKBのAR総選挙っていうのを考えていて。

米田 スマホで投票できるとか?

川田 そこまでは誰でも考えそうなことなんですけど、僕の仕組みのすごいところは、投票しないと、その人が今、何票入ってるかっていう中間がわかんないところなんです。未来はね、こういう風にした方がいいんですよ。

米田 ああ、それだとファンは必ず投票したくなるね。

川田 みんなCDは買わなくなるけど、(アイドルの)人気投票権はどっちにしても買わなきゃいけないわけだからね。あと、抜け殻の話もそうだけど、やっぱり僕はモノが捨てられていくのが嫌なんですよね。

米田 ああ、投票のために膨大なCDが捨てられているよね。

川田 なるべく要らないものはなくした方が良いから。それで、このAR総選挙は、秋元さんに見せたんです。

米田 反応は?

川田 「これはぜひやりたい」と仰っていました。来年とか再来年くらいにAKBは世界展開していくらしいので、その時にやれたらいいなって。

それから、これは色んな角度からコンサートの追体験ができるっていうやつ。これね、あの時にどの角度から見てたらどうなってたかなっていうのを、僕は次のオリンピックで、パブリックビューイングをやろうって思ってて。今、4Kのテレビモニターの使い道って無いんですよ。

米田 ああ、モニターの解像度に世間はあんまり興味がなくなっているよね。今ので十分キレイだし、ネットじゃ、YouTubeとかニコ動とか逆にチープな画質のもので十分という流れになっているし。

川田 要は、4Kで撮影した後に、何に使うか誰も考えてないんですよ。そこで、僕は全部4Kで撮っておいて、全部が克明に再現できるようにしようと思っていて、開催中は選手がピッチにいるけど、終わってから、ピッチに入り込んで見る、そういう体験を次のオリンピックはしようと思って。

米田 実際に何か動いているの? 東京オリンピックでARをやるって話には当然なると思っていたんですけど。

川田 猪瀬さんには、もう会ってないことになっちゃったから(笑)。けど、東京都だけでもメーカーだけでも局だけでもできなくなっちゃって、SONYとか色んな放送局から言われてることを全部繋げちゃおうと思って。繋げて一緒にやろうぜっていうことにしようと思って。

写真:片岡和志 会場提供:アバッキオ

米田 お! 非常口の人のマークが動き出した!!

川田 ギャグっぽくやってますけど、実はわりとちゃんとした背景がありまして。1964年の東京オリンピックで最初に登場した競技別のピクトグラムがあるんですけど、非常口のピクトグラムもそれが元になってるんです。だから、今度の2020年の東京オリンピックでは、このピクトグラムが「O・MO・TE・NA・SHI」をすればいいんじゃないかと。

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