金融・投資・マーケット
黒田日銀総裁の「追加緩和策は不要」発言の影響

1月22日、日銀は金融政策決定会合で、予想通り金融政策の現状維持を決定した。その後の記者会見で黒田総裁は、景気の先行きに依然として強気な見方を示すとともに、現時点での追加緩和策は必要ないと明言した。

今回の総裁発言によって、消費税率が引き上げられる4月までの追加緩和策の実施の可能性が低下したと見るべきだろう。金融市場の一部に追加策の実施に期待感があったこともあり、株式や為替の市場ではやや肩透かしの感がある。

追加緩和期待がやや剥落することによって、短期的には、株式市場は上値を抑えられ、為替市場ではドルの上値が重くなる可能性が高い。一方、中期的には、株式やドル相場にはまだ上値余地が残っているとの見方が有力だ。

日銀の緩和策温存と米国の思惑

今回、黒田総裁が追加緩和策は不要と言い切った背景には、追加策というカードを温存しておきたいという意図がありそうだ。4月に消費税率が引き上げられて、景気が大きく落ち込むようなケースで、そのカードを切らざるを得ないとの読みも考えられる。

あるいは、中国や欧州などの海外経済のリスク要因が顕在化して、金融市場全体がリスクオフに傾き、円高が進むときにも、日銀は追加緩和策を求められることは明らかだ。その時、日銀は追加緩和策を切り札として使うことができる。

もう一つ気になるのは、米国のルー財務長官が、円安傾向の進展に懸念を表明したことがある。米国が、円安・ドル高を真剣に懸念する段階ではないと見られるものの、財務長官とすれば、ドル高のスピード調整をしておきたいと考えていることだろう。

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