白河桃子「『少子化時代の働き方』を考える」

白河桃子×青野慶久 ~サイボウズの"働き方革命"に迫る~
【第2回】「多様性が必要だと言葉にするだけでは、結局、何も変わらない」

2014年01月27日(月) 白河 桃子
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[左]青野慶久さん(サイボウズ株式会社代表取締役社長)と、[右]白河桃子さん(少子化ジャーナリスト)

【第1回】はこちらをご覧ください。

社長就任時に経験した大失敗

白河: ただ、多様性を受け入れる価値観に共感できる人が残るといっても、評価したり、お給料も変えたりしなきゃいけないし、働き方も人によってさまざまだと、全員に残業させるわけじゃないですよね。仕事の割り振りとか、進捗状況の把握とか、マネジメント面ではやることが増えると思うんですけれども、その辺りはどうなんでしょう? マネジメントの教育をされていますか?

青野: 制度を作った当初は、毎月研修をしていましたね。2年間くらい。マネジメント層だけではなくて、全層に対して。3年目、4年目、中堅・・・毎月毎月やっていました。そこで問題解決メソッドや多様性を受け入れる考え方などが根付き、この会社が何を目指しているのか、何をやりたいのかが浸透したんだと思います。

白河: 具合的にどうやって浸透させていったんですか?

青野: 会社の商品をグループウェアに絞って、つまり「世界のチームワークを向上させる」「世界一のグループウェア会社にする」というところを目指しました。人事制度も含めてすべての制度はこの目的のためにあるということを言い続けています。「世界一使われるグループウェアメーカーになりますよ」「それがこれからやることですよ」と。

最初はよく分かってもらえなくて「え?」「何が言いたいんですか?」といった感じになってしまいますが、繰り返しているうちに、みんな納得感が出てきて、「あ、そうか」「じゃあ僕はそのために何ができるだろう」といった発想に変わってきています。

会社がどこを目指しているのか、何をしたいのかは、数字では表せるわけじゃないですか。「来年の売上目標はいくら」というように。でも、一現場の人からするとワクワクもしないし、「それをやったところで、社長の給与が上がるだけでしょ」といった感じになってしまう。

僕も昔それをやっちゃっていたんですよ。2005年に社長になったときに、売上を倍にしようみたいなことを掲げて、実体感のないまま2年間。大失敗しました。

白河: それはやっぱり失敗だったと思われるわけですか?

青野: 失敗ですね。自分の思っていたような結果は全く出せなかったんです。それで、そこからみんなと相談しながら、みんなが燃えられる目標を作るようにしました。

ひとつの明確な目標を作ったら、それに合わない人はどんどんやめていくんですけれど、でも、その間にどんどん一体感が増してくる。逆に、目標に共感する人はみんな残っていて、「ようやく青野さんがちゃんとした目標を作ってくれた」と言ってくれたんです(笑)。

白河: 売上じゃなくて、みんなが共感できる、ワクワクする目標を作ってくれたと。

次ページ 青野: そうは言っても、やっぱ…
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