ついに5人を逮捕!東西暴力団が群がった「LED照明詐欺」の〝深い闇〟を警視庁組対4課は解明できるか

「いろんな商流に私の知人が含まれており、詐欺という事件構図を組み立てる時、私を中心にした方が事件を組み立てやすいと(捜査当局は)考えたのではないか」――。

警視庁組織犯罪対策4課が16日、電通100%子会社の電通ワークスに、LED照明の架空取引を持ちかけ、2億3000万円を詐取したとして逮捕したワールド・ワイド・エンジニアリング(WWE)の実質的経営者の津田悦資容疑者(63)は、昨年末、私の取材にこう答えていた。

結果的に逮捕直前インタビューとなったその席には、津田容疑者とともに逮捕されたWWE社長の長谷川篤志夫容疑者(67)も同席しており、私は本コラムに「容疑のキーマン2人を直撃!」(12月26日)という形で記事にした。

2人は詐欺を否認、「循環取引」だと主張した。WWEは、期末の売り上げと利益を上げたい電通ワークス担当者の要望を受け、それに沿う形で循環取引を始めたのだという。そのうえで津田容疑者はこう語った。

「詐欺的商流はあるし、反社(反社会的勢力)に電通ワークスの資金が流れた疑いはある。当社が循環取引を行っていたことは、最初から否定していない。それも含めて、何が問題の本質かをしっかりと捜査して欲しいし、取材する側にもそれを望みたい」

山師やブローカーに加え、「反社」が跋扈する世界

「最初に循環ありき」という部分は共感できた。電通ワークスが絡む商流は、WWE以外にも幾つもあって、関係する代理店、ユーザーの数は数十社に及ぶ。その全ての商流において、電通ワークスが疑うこともなく資金を出し続けた、というのは考え難かった。

ただ、暴力団担当の組対4課は、「反社へのカネの流れ」を優先させた。

電通ワークスに、循環取引による売り上げと利益の〝嵩上げ〟という思惑はあったかも知れないし、実需に沿った商流もあった。しかし、「誰がワルか」を考えれば、電通ワークスに食い込み、循環取引という形で利益を引き出した方が悪い。津田容疑者の問い掛けに対し、組対4課は「あなたを逮捕することが事件の本質だ」と、答えたのである。

津田容疑者には前科がある。「それが疑われる原因だ」と、本人も認めていたのだが、2002年5月、ニセの札束を見せ金にして信用させ、不動産をだまし取ろうとした詐欺未遂容疑で、警視庁捜査2課に逮捕されている。

その反省もあって、実業の世界に戻ろうとしたのだが、信用がない。そこで、05年2月、LED照明分野に進出する際、大手IT関連企業に在職経験があるものの、起業に失敗、自己破産を経験したことのある長谷川容疑者を誘い、社長に据えた。「実質的経営者」とはそういう意味だ。

東日本大震災をきっかけに急速に需要を伸ばし、白熱電球に比べ「寿命は40倍で消費電力は2分の1」と、エコ商品の代表のようにハヤされたLED照明の世界に、津田、長谷川両容疑者のような〝ワケあり〟が多いのはなぜなのか。

「製造工程がそれほど複雑ではなく、チップや電源といった部材を寄せ集めて組み立てることができる。しかも、早い話が電球の付け替えで、コンビニ、学校、工場、ホテルチェーンなど大手を顧客にすれば、大きなビジネスが期待できる。それで、一発逆転を狙う山師のような業者や、『俺の顔で受注できる』と大言壮語するようなブローカーが跋扈するようになった」(照明業界関係者)

山師やブローカーがいれば、当然、そこには反社も生息する。津田容疑者は「反社が含まれているのは事実だ。神田や日本橋に彼らの拠点があり、電通ワークスだけでなく、LED照明に新規参入した企業を食っていた」と語っていた。

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