サッカー

二宮寿朗「横浜フリューゲルス、一昼限りの復活」

二宮 寿朗

スタジアムで感じたサポーターの思い

 試合は波戸が「マリノス」側で決勝点を奪って4対3で終了。その後、「フリューゲルス」のサポーターが見守るなかでも波戸は胴上げされ、記念撮影が行なわれた。それ以降も「フリューゲルス」側ではずっと応援が続けられていた。

 筆者は入場口の前に立って、サポーター席からの軽快なリズムを聞くことにした。何だか前園真聖のドリブルや、エドゥーの鮮やかなFKまでが記憶に甦ってくるようだった。
 チームとの再会を喜ぶサポーターの喜びのリズム。しかし同時に、応援したくてたまらないチームがあったのに、それを続けられなかった無念な思いというものも感じずにはいられなかった。

 クラブは地域密着があって発展する。フリューゲルスはサポーターからも愛されたクラブであった。
 だが親会社の経営的な都合で撤退があっさりと決まり、チームが解散して、残されたのは愛情を注いできたファン、サポーターたちだった。F・マリノスのFはフリューゲルスのFであり、その後、横浜FCも立ち上がってはいる。とはいえ、フリューゲルスが消滅したという傷跡は今もなお消えていない。

 俺たちの心のなかで、フリューゲルスはずっと生きている。
 軽快なリズムに、サポーターたちのメッセージを見る思いがしていた。