サッカー
二宮寿朗「横浜フリューゲルス、一昼限りの復活」

 15年前にタイムスリップしたような感覚に陥った。
 2014年1月18日、横浜市のニッパツ三ツ沢競技場で横浜F・マリノスのアンバサダーを務める元日本代表DF波戸康広の引退試合が行なわれた。

 波戸が引退したのは2年前の11年末。「どうして今さら引退試合を?」とも思ったが、試合を見て納得ができた。自分の引退記念というよりも、どうしてもやりたい企画があったのだという。
 波戸の企画とは――。

“横浜ダービー”が復活

 それは横浜マリノスと、1999年1月1日の天皇杯優勝をもって消滅した(正式には2月1日にマリノスに吸収合併)横浜フリューゲルスの“横浜ダービー”の復活だった。
「僕はフリューゲルスでプロデビューさせてもらって、クラブがなくなってマリノスに移って、そして最後もマリノスで引退しました。この2つのチームで何かイベントがやれないかと、ずっと思っていたんです」

 なるほど、ダービーの舞台であった三ツ沢競技場が会場になったのも納得がいく。スタジアムにはマリノスのサポーター、フリューゲルスのサポーターたちが集い、当時の雰囲気を醸し出す横断幕があちこちに掲げられていた。

 チーム構成は波戸がいた時代が反映されてのものだが、一方はマリノスが03、04年にリーグ2連覇した“最強チーム”のメンバーが集結し、それに13年リーグMVPの中村俊輔たちも加わる「マリノスAll Stars」。そして、もう一方が名前こそ「波戸Friends」であるものの、フリューゲルスOBのメンバーをずらりとそろえたチーム。ユニホームもマリノス、フリューゲルスをイメージしていて、集まった6000人ほどのファンも感情移入できたのではあるまいか。波戸は前半を「フリューゲルス」で、後半は「マリノス」でプレーしていた。