スポーツ

[MLB]
杉浦大介「A・ロッド、“最後の日々”」

2014年01月20日(月) スポーツコミュニケーションズ

出場停止で事実上の現役終了へ

 ヤンキースの“A・ロッド”ことアレックス・ロドリゲスが、再びネガティブな形で全米の注目を集めている。昨年、薬物問題でMLBから今季終了まで211試合の出場停止処分を受けるも、その後に異議申し立てを表明。しかし、1月11日に仲裁人より発表された審議結果は、彼にとって好ましいものではなかった。

 プレーオフを含む2014年いっぱいの出場停止――。

常に論議を呼び起こし続けた風雲児の時代は終わったのか。Photo By Gemini Keez

 この致命的な裁定を不服とするA・ロッドは、連邦裁判所に提訴して争う意向を示し、直後にはMLB、選手会を相手どって処分の破棄を求める訴訟を起こした。以降もほぼ毎日、新たな火種が生まれていおり、現代の風雲児を巡る不名誉な騒ぎはまだ続きそうな気配である。

 もっとも、その一方でMLBプレイヤーとしてのA・ロッドのキャリアはこれで終焉かもしれない。調停人の出した裁定を連邦裁判所が覆すことは考えられず、今季の全休は確実。ヤンキースとは2015~17年に合計6100万ドルの契約を残してはいるが、もうあまりにもイメージが悪い上、この7月には39歳になるだけに、来季以降のまともな貢献は期待できそうにない。

 処分明けのサーカス的な注目を嫌い、ヤンキースが残り年俸のほぼ全額を飲んででも解雇すると予測するメディアは多い。そうやってFAになっても、他のどのチームも獲得に手を挙げない可能性は高いだろう。だとすれば、私たちはもう2度とロドリゲスがプレーする姿を観ることはないのだろうか……。

 A・ロッドはまさに「怪物」と呼び得るほどの能力を持ったアスリートであり、同時に常に論議を呼び続けてきたメジャーリーガーだった。キャリア通算654本塁打。そのパワーは驚異的で、「メジャー最高級選手」の称号をキャリアの大半で欲しいままにしてきた。

 全盛期はまず打球音、打球の弾道が他選手とははっきリと違った。球場で間近に観るとあまりの迫力に空恐ろしさを覚えるほどで、“モノが違う”としか言いようがない。「飛距離の出ないはずのティー・バッティング練習でセンターバックスクリーンを軽々と越した」「アマ時代から身体に気を遣い、ピザやファーストフードを避け、チキンとサラダしか食べなかった」など、残してきた伝説的エピソードも数知れず。薬物使用発覚前には殿堂入りも間違いないとみなされ、MLBの多くの記録は彼によって破られていくと信じられていた。

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