もはやメディア・リレーションズでは生き残れない。PRパーソンは生まれ変わる覚悟が必要だ! 【第4回】データドリブン:これからのPR効果検証

【第3回】はこちらをご覧ください。

今や私たちの生活はデジタル空間と切っても切り離せない状況にあります。結果として、デジタル空間に行動の痕跡がたくさん記録されます。いわば、「指紋」や「足跡(あしあと)」をいっぱい残しているわけです。

こうなると、犯人ならぬ「ユーザー」を捉まえたいマーケッターは、その行動の履歴を調べつくして、ターゲットの現在地から未来の行動予測まで、すべてを明らかにしようと意気込むわけです。

ところが、痕跡から読み取ることができる情報には限界があるのも事実です。これからの時代はデータを駆使することは大前提ですが、それはあくまでも「課題解決」のための一手段でしかないことを忘れないことです。

露出ではなく、その先にある反響を獲得する

さて、PRパーソンにおけるデータ活用についてお話ししましょう。

結果を検証して次の手を策定するにしても、業績成果を測る指標(KPI)の設定においても、もはやデータ「解析」は欠かすことができません。前回の記事で、PRパーソンのメディア・リレーションズもデジタル化が進んでいるというお話をしましたが、PRの効果検証においてもデジタルの波が押し寄せています。

PR活動のアウトプット(露出)をどう検証するか。最終的に生活者を動かすことを目指しているわけですから、記事や番組が「出ておしまい」ではないはずです。私は "露出"がゴールではなく、そのあとの反響、さらには連鎖反応までをしっかり捉えて検証すべきだと考えます。

広告の場合は、ターゲットである消費者の反応が勝負なわけですが、マーケティングPRは、最終的には対消費者ではありますが、その過程では、メディアをはじめ様々なステークホルダーを巻き込み、次々に連鎖反応が起こるような状況を想定して戦略を考えます。ですから、広義の"反響"をどう見るかがとても重要なのです。

私はこれまでにも、メディア間の連鎖反応に言及し、その視点で戦略を立て、効果検証をしてきました。当然、メディアだけではなく、消費者を含めた世の中の反響について検証すべきで、ようやくそういう環境が整ってきたというわけです。

では、このような考え方に沿った効果検証はどうあるべきか。PRパーソンでなくとも"PR"を活用されたことがある方であればご想像いただけると思います。

例えば、あなたはご自身が担当する新しい商品やサービスのローンチにともなう記者発表イベントを実施するとします。何人の記者が来場してくれるのか、何台のテレビカメラが並ぶのか、そわそわしながら本番を迎えるはずです。翌日の朝刊記事、写真の有無や大きさ、ワイドショーに取り上げられるかどうか、放送の尺(時間)も気になるところです。そう、これが従来のオーソドックスなPRだったと思います。そして、露出を効果として測定してきました。

これからは、その先の反響までをチェックします。記事や番組の露出に対して、どのくらいの人がどんな反応を起こしているのか。また、ネット上にストックされた情報は次のメディアの動きを引き起こすのか。メディアからメディアへの連鎖反応の有無に加えて、一般生活者の"口の端"までを探査します。

反響を検証するツールはいくつかありますが、ヤフーの「リアルタイム検索」を使うと、ツイッター上でつぶやかれた全てのデータなどをベースに解析体験をすることができます。自社のブランドや、キャンペーンのキーワードなどがツイッター上でどれだけ人の口の端に乗っているのかを知ることができるのです。皆さんも是非、「ブランド名」などで実際に一度、検索してみてください。

私は自分が手がけた案件で多くのマスメディアに露出したものでも、悲しいくらい話題になっていない現実を目の当たりにしたことがあります(^^ゞ。 しかし!! その厳しい現実を突きつけられて考え始めるのです。露出ではなく、その先にある反響を獲得するにはどんな状況をつくらなければならないのかを。

ただし、前述したヤフーのリアルタイム検索は、そもそもマーケティング業務を想定したツールではないため、過去30日分のデータしか遡ることができません。しかし、プロ向けのツールであれば、より詳しく様々な反響を検証することが可能になります。たとえばデータセクション社が提供する「インサイト・インテリジェンス」は、ツイッターなどでのクチコミはもちろん、さまざまなニュースメディアも含め、広く評判を把握・分析することができます。

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