川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」

国境をなくすのは"言うは易く行うは難し"!? 外国人労働者を巡る議論が炎上するドイツの実状

2014年01月17日(金) 川口マーン惠美
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〔PHOTO〕gettyimages

2014年より、EU内でのブルガリア人とルーマニア人の権利が拡張される。EUの各加盟国は、新しい加盟国の人間に対して、7年間は自国への移住や労働条件に一定の制限を課すことができるという規則がある。そして、多くの加盟国が2007年に加盟したブルガリアとルーマニアに対して、この規則を適用していた。

つまり、去年まではこの2ヵ国の人々は、EU圏内のどこにでも移動はできたが、居住し、自由に就職することはまだ制限されていた。ドイツも、7年間、両国にその制限を掛けていた国の一つだ。

詐欺をする者は追い出される

しかし、その期限が去年で切れた。したがって今年から各国で、この2ヵ国からの労働者の増加が予想されている。労働者がどこの国へ流出するか? いくら隣りあわせでも、ブルガリア人が職のないギリシャに行くとは考えられないし、ルーマニア人がハンガリーへ行くこともないだろう。つまり、ドイツ、オーストリア、イギリスなど、比較的経済のまわっている国がターゲットとなるのは明らかだ。

1月の初め、CDU(キリスト教民主同盟)の姉妹党であるCSU(キリスト教社会同盟)が党会議を開いた。その中の議題の一つが、「詐欺をする者は追い出される」である。それが元で、今、ドイツでは、外国人労働者を巡っての議論が炎上している。

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