雑誌
緊急対談 野上忠興 × 鈴木哲夫 申し訳ないけれど… 安倍首相より、昭恵夫人のほうがいいんじゃないの? 靖国神社にも「参拝」を強行
〔PHOTO〕gettyimages

午年の安倍政権は、巳年のツキを使い果たし、支持率急降下は避けられない。これが政局を読むプロ二人が語り尽くした結論だった。それならいっそ、昭恵夫人に「政権交代」してもらっては?

「不安な1年」が始まる

野上 安倍政権の1年目を振り返ると、前半はアベノミクスで盛り上がり、7月の参院選にも勝利しました。でも、秋の臨時国会で安倍首相は衣の下に隠していた鎧=タカ派体質をむき出しにするかのように特定秘密保護法案を強引に採決に持ち込みました。結果、支持率が軒並み初の50%割れをし、ピーク時から20ポイントもの下落幅を記録しました。

午年は「草木が極限を過ぎて衰えを見せ始める年」とされていますが、なにやら安倍政権の先行きを暗示しているように思えます。4月の消費増税や集団的自衛権の見直しなど、一筋縄では済まないさまざまな内政・外交課題が待っており、安倍政権にとって「不安な1年」になると見えるからです。

鈴木 昨年末の特定秘密保護法案のゴリ押しで分かったことは、国民は安倍政権に総論は賛成でも、安倍首相がやりたい各論(政策)に対しては反対が多いということです。いくら国会を制圧しても、国会の外に国民という「野党」がいることに、安倍首相自身が気づいたかどうか。そこが'14年の安倍政権のターニングポイントだと思います。

野上 まったく同感です。「支持率は感性で、政策は理性で判断する」と言いますが、秘密保護法成立への強引な手法が、国民をして感性、理性両面で安倍政権に「ノー」を突きつけ始めています。

その意味で、目前に控える1月19日の沖縄県名護市長選挙、2月9日の東京都知事選挙の行方が当面の焦点となりますね。安倍自民党が、このどちらか一方でも落とせば、政権に黄信号が灯る事態になりえるからです。

鈴木 都知事選に関しては、「二つの法則」があって、ここ何十年も自民と公明が同一候補を立ててきた歴史があるというのが一つ。安倍首相は「新都知事=オリンピックの顔」と思って、あれこれ候補者名を挙げているようですが、まず公明と十分話をしなければならない。そのあたりが分かっていません。

もう一つは、他の候補者よりも後から出馬表明したほうが有利だということです。東京は都知事の任期4年の間に流動人口がざっと4割、つまり4割の人が入れ替わってしまうんです。こうした人たちに響くのは、どうせ転勤などで去っていくのだから、土着型の公約よりも、いまホットなワン・イシューです。

たとえば今回の都知事選では、「反原発」というワン・イシューを掲げる候補者が彗星のように現れ、そこへ小泉純一郎元首相が乗っかって、自民党候補を打ち破る—そんな展開も十分起こりえるのです。

野上 昨年末、安倍首相は「原発問題と特定秘密保護法案は都知事選の争点にならない」と言いましたが、裏を返せば争点化されることが恐いわけですね。国政選挙は'16年の参院選までありませんが、都知事選を安倍政治の審判・評価の場ととらえる有権者が、相当程度いるのではないでしょうか。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら