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北朝鮮コンフィデンシャル これは史上最悪の「兄弟ゲンカ」である 金正恩は、兄・正男も「処刑」する気だ
稀代の暴君・金正恩〔PHOTO〕gettyimages

昨年末にナンバー2の張成沢を処刑したと思いきや、金正恩の次なる標的は「中国に亡命中」の長男・金正男だという。もう止まらない隣のヤクザ国家のお家騒動。周辺諸国にとっては迷惑千万な話だ。

労働新聞が予告した標的

「たとえ血を分けた兄弟でも、ためらうことなく懲罰の銃口を向けるであろう。そのようなことができる剛直な人物こそが、真の革命家と言えるのだ」

昨年12月14日、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は、「われわれには金正恩同志しかいない」というタイトルの記事で、このような物騒な記事を掲載した。

東京新聞編集委員の五味洋治氏は、このニュースにピンと来たという。五味氏は、金正恩第一書記の異母兄である金正男を計7時間、独占インタビューし、150通のメールを交換した。そしてその金正男との「交遊録」をまとめた著書『父・金正日と私/金正男独占告白』が、一昨年、ベストセラーになった。

「この記事は、中国で事実上の亡命生活を送っている金正男へ向けたメッセージですよ。すなわち先月、金正恩第一書記は、張成沢党行政部長を、残忍な方法で処刑しましたが、次は金ファミリーの中で張成沢に最も近かった金正男を狙うということです」

故・金正日総書記には、3人の息子がいる。元女優の故・成恵琳との間に'71年に生まれた長男・正男。元踊り子の故・高英姫との間に生まれた'81年生まれの次男・正哲と、'83年生まれの3男・正恩である。

五味氏が続ける。

「当初は正男が、金正日総書記の有力な後継候補でした。ところが'01年5月に、東京ディズニーランドへ行こうとして成田空港で捕まってしまう。敵国である日本に捕まったのですから、これは後継者としては致命的です。

実際、金正男は私に、『この一件で父上に激怒された』と述べていました。『私が後継から外れたのと、日本で捕まったこととは無関係だ』とも弁解していましたが、それは彼の負け惜しみだと思います」

翌'02年8月からは、北朝鮮国内で、高英姫夫人の偶像崇拝化が始まった。これは後継候補が正男から高夫人の息子へ移った証左と見られる。

そんな「金正恩後継」を世界に知らしめたのは、「金正日の料理人」こと藤本健二氏だった。藤本氏が述懐する。

「一家で食事する時は、金正日総書記の隣は必ず正恩で、正哲は下座に座らされていました。金総書記は『正恩はオレに似て肝っ玉が大きい』とも自慢していました。こうしたことから、正恩後継は、金正日総書記の心中では既定路線だったのです。私は計13年間、金正日総書記の側に仕えていましたが、金正男のことは、平壌で存在すら知りませんでした」

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