東京を国家戦略特区に指定し、2020年五輪へ大胆な都市改造を
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景気回復の兆しをデフレ脱却へつなげるために

各地で新年賀詞交換会が行われている。とくに経済界の集まりでは、景気がよくなっているという意見が支配的である。昨年末の12月16日に発表された日銀短観では、大企業・製造業の景況感が4四半期連続で改善し、6年ぶりの高水準となった。中小企業でも、製造業は22年ぶりにプラスに転じるなど、確実に景気回復への歩みを進めている。

大企業、東京から中小企業、地方自治体へと景気回復が波及してきている。4月に予定されている消費税増税前の駆け込み需要という要因もあるが、明るい兆しとして歓迎したい。消費税増税は、消費を抑制することにつながるので、景気に対してマイナスに働く可能性があるが、今の日本経済は、それを克服するだけの潜在力を持っている。

消費税が増税される4月には、企業努力で、増税分に匹敵するだけの賃上げが実現できればなおよい。ただ、年金生活者、高齢者にとっては、増税とともに社会保険料の負担増、年金支給額の引き下げ(物価スライド分)などが、財布の紐を緩めさせない要因となろう。多額の資産を保有する高齢富裕層が、モノやサービスの購入に積極的になることを期待したい。

海外に目を転じても、大きな不安要因はない。アメリカは、緩やかな経済回復を続けていくであろう。ヨーロッパも同様である。中国経済は、少し減速するが、それでも7%台の成長は維持していくと見られる。また、新興国経済は、緩やかに減速する可能性がある。

12月24日にまとめられた政府の月例経済報告でも、「デフレ」という文言が4年2ヶ月ぶりに削除されたが、「デフレ脱却」宣言にまでは至らなかった。しかし、10月には、「コアコア指数」(為替相場の影響を受けやすく価格変動の激しいエネルギーや食料品を除いた消費者物価指数)が、5年ぶりにプラスに転じたことは明るい材料である。

「デフレ脱却」を宣言するには、輸入物価のみが上昇し、悪性インフレとなるような事態は避けねばならない。そのためにも、賃金が上昇するようにしなければならない。

しかしながら、政府が経営者に要請すれば賃金が上昇するほど会社経営は甘くない。経営者の立場からは、配当支払い、内部留保、設備投資などの後に賃上げが来る。国会議員のときも、予算委員会でも、このコラムでも、デフレ脱却には会社経営の視点が必要だと主張してきたが、その視点を常に忘れてはなるまい。