『金田一耕助映像読本』でテンション上げてポチりまくり

レビュアー:麻木 久仁子

さて、今回ご紹介するのはMOOKです。HONZのルール上、MOOKはアリなんだったかどうだか忘れましたが、コンビニのワンコインBOOKSがオーケーなんだからMOOKだっていいだろうということです、はい。なにしろ年末年始、わたくしはこの本でたっぷり楽しみました。実に「使える」本だったと言えるでしょう。ぜひお勧めしたい。

昨年は金田一耕助生誕100年という記念すべき年でありました。金田一は1913年(大正2年)東北地方で生まれております。20歳で渡米、放浪生活の中で麻薬常習者になったりという過去もありました。その後どこぞのカレッジを卒業して帰国。「よれよれの単衣の着物に袴、寒いときにはインバネス」というクラシックな装いからは想像出来ない、意外とハイカラな青春時代です。有名な『本陣殺人事件』を解決したのが1937年で25歳。探偵としてこれからというときに召集され、南方の各地を転戦、ニューギニアで終戦を迎えました。1946年に復員してのちの活躍はみなさんご存知のとおりです。

知らぬ者とてない、登場から半世紀を越えた今も愛され続ける名探偵。金田一の活躍する物語は数多く映像化され、時の名優たちが個性あふれる金田一像を生み出してきました。生誕100年を機にそれを総覧しようという本です。パラパラとめくるだけでも過去に観た映画やドラマのシーンが蘇り、あるいはまた未見の作品はどうしても観たくなり。で片端からポチっていたら年の暮れにひっきりなしに宅配便がやってきて、たちまち玄関に金田一物DVDが積上ったというわけです。70年代後半の石坂浩二版は全部持っていましたが2006年の犬神家リメーク版は未見。渥美清の八つ墓村はありましたが豊川悦司版は無い。二時間ドラマ化してからの古谷一行は結構録画しているのですが、もともとのテレビシリーズは観てない。いやはやとにかく、「あ、これ観てない。あ、これ持ってない」と買いまくりました。中尾彬版『本陣殺人事件』を買おうとしたら中古でも7-8000円したんでさすがに躊躇し、ようやくポチる指が止まったのでした。(その後DVD棚をあさっていたら奥の方からそれが出てきて、本の間から一万円札が出てきたみたいな嬉しさでした。ちゃんと買っといたアタシえらい!みたいな)。

もう大晦日と三が日は金田一三昧ですよ。朝から晩まで血なまぐさい映像が流れっぱなしです。時計台の巨大な歯車に挟まれて腕が吹っ飛んだり、棒が外れて鐘の下敷きになった娘の首がちぎれたり、吊るされた生首の下で南部鉄の風鈴がチリンチリン鳴ったり。ほろ酔いで真夜中に『病院坂の首縊りの家』を観てて途中で御不浄にたったところ、いきなり電球が切れて真っ暗、「ギャ!」と声を上げたりしておりました。

この『金田一耕助映像読本』、なんだってこんなに購買意欲を刺激するのかといえば、同タイトル複数の作品を横断的に紹介し比較研究しているので、MOOK読んでると見比べたくなっちゃうからなんですね。