賞金100万ドルのアメリカンドリーム男登場
これが蛯名健一の「首落ち」ダンスだ

ラスベガスにおけるエンターテイメントの聖地であるホテル『MGMグランド』のバックヤードにて

取材・文:柳川悠二

ダンスパフォーマー・蛯名健一(39)。米国では、メジャーリーガーのイチローや上原浩治に並ぶ、名前の知られた日本人である。

今年9月、蛯名は米国で絶大な人気を誇るオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント(以下、AGT)』に参加し、日本人として初めて優勝を果たした。同番組は米NBCネットワークで放送され、イギリス版では歌手のスーザン・ボイルらを輩出するなど、世界的な影響力を持つ。番組の優勝者となった彼は、100万ドル(およそ1億円)もの賞金を獲得、見事にアメリカンドリームを成し遂げたのである。

「実は賞金はまだ手にしてないんです。夢のない話ですが、一括払いだと税金で引かれて手元に残るのは3000万円ぐらいですから、税率が低い40年の分割でもらうことを考えています。家や高級車を買うとかは考えてなくて、今のところ生活に変化はありません。街中で声を掛けられるようにはなりましたけど(笑)」

ショービジネスの本場・ラスベガスでの公演前に、インタビューに答えた蛯名はそう笑いながら話す。実際、公演の行われた巨大カジノホテル『MGMグランド』の周辺を歩くと、米国人に次々に写真をせがまれた。「ケンイチ」は彼らにとって苦手な発音であるはずだが、誰もが親しみを込めてファーストネームで声をかけてくる。

蛯名は神奈川県出身で、20歳の時に米国の大学へ留学。現地の大学の新入生歓迎ダンスパーティに参加したことをきっかけに、ダンサーを志すようになる。

「ダンスは高校生の時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の『ダンス甲子園』を見てかじったぐらいだったんですけど(笑)、パーティで〝ランニングマン〟というステップをしたら盛り上がった。後から考えたら、おかしな日本人だと笑われていただけなんですけど、自分にはちょっとした快感で(笑)。そこからヒップホップのビデオをスロー再生で観ながら、独学で練習するようになりました」