佐藤優の読書ノート「独裁者のためのハンドブック」ほか

読書ノート No.85

ブルース・ブエノ・デ・メスキータ/アラスター・スミス(四本健二/浅野
宣之訳)『
独裁者のためのハンドブック』亜紀書房、2013年11月

「独裁者のためのハンドブック」というタイトル自体が反語法である。独裁と対極にある米国、西欧などの民主主義国においても、少し形を変えただけで「独裁の技法」が用いられているという著者たちの見方は正しい。

レーニンのブルジョア民主主義観を現代的に翻訳したと見ることもできよう。著者たちは、具体的に5つの技法を提示する。

<どんなシステムでも、成功するためにリーダーが使える五つの基本的ルールを、政治的生き残りを賭けた支配についての考察から導き出した。

・ルール1 盟友集団は、できるだけ小さくせよ
小さな盟友集団は、リーダーが権力を維持するのに、少人数の人々にしか頼まないことを意味する。必要不可欠な者が少なければ少ないほど、歳出は管理しやすく、自由に使える裁量が増すことになる。

小さな盟友集団を頼みとすることにかけては、現代の巨匠である北朝鮮の金正日将軍に、万歳!(…以下略)

このテーマについて深く知るための「連読」3冊
・C.マラパルテ『クーデターの技術』イザラ書房、1971年
・新明正道『ファッシズムの社会観』岩波書店、1936年
・向坂逸郎『プロレタリアート独裁』社会主義協会出版局、1977年
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