雑誌
合併号特別大調査「5年後の社長」「10年後の社長」実名を公開する
日本のトップ企業50社トヨタ、パナソニック、三菱重工、三菱東京UFJ、全日空、三越伊勢丹、ソフトバンク、フジテレビ、朝日新聞、ファーストリテイリングほか
〔PHOTO〕gettyimages

経済界に「人物」がいなくなって久しいといわれる。しかし目を凝らしてみれば、キラリと光る人材はいくらでもいる。実績、才能、逸話。未来のトップリーダーの実像をあますところなく紹介する。

東芝のクレイジーキヨシ

「右肩上がりの時代には、多少能力の低い人が社長になっても企業は成長できました。しかし、いまは違います。猛スピードで市場が変化するグローバル時代にあっては、実績を上げられるのはもちろん、社員を引っ張るリーダーシップ、世界を飛び回る行動力から決断力、精神力など、求められる能力が数えきれない。逆に言えば、社長人事を間違えれば、あっという間に会社が潰れてしまう時代に突入したといえるのです」(経営コンサルタントの小宮一慶氏)

企業の生き残りが社長の実力に大きく左右されるようになってきた。では、日本を代表する有名企業にはいま、どんな将来の社長候補がいるのか。

今回本誌は、日本経済の未来を背負うことになる社長の卵について徹底調査を実施。5年後、10年後の社長候補に名前が挙がる人物について、その全実名リストを作成した。ズラリと並ぶ「知る人ぞ知る」逸材たちを業界ごとに紹介しよう。

まず、日本経済を牽引する自動車・電機業界で目立つのは、「媚びない」面々だ。

「ホンダの松本宜之氏は、小型車『フィット』の開発時に、使い勝手のいいクルマ作りを目指した。当初、役員陣からそのコンセプトは理解されずに叱り飛ばされたが、松本氏は方針を曲げなかった。結果、大ヒット。消費者目線を忘れない上、気骨のある技術者」(ホンダ幹部)

「ソニーの上田康弘氏は、『トップがダメだとやる気がなくなる』『経営陣にこそ、品質改善が必要だ』などと、はっきり物言うタイプ。一方で、現在のソニーの〝技術の柱〟である、スマホやデジカメの『目』となるイメージセンサーの開発責任者を務める根っからのエンジニア。技術のソニーを復活できるのは彼しかいない」(ソニーと取引のある半導体関連企業幹部)

もう一つの共通項は次世代の「牽引役」であること。

たとえばトヨタの小木曽聡氏は、初代からプリウスの開発にかかわった後、現在は燃料電池車などの次世代カーの統括責任者を務める〝エース〟。

アフリカなど新・新興国開拓が「次の勝敗」を決めるといわれる中で、日産の新興国攻略車『ダットサン』を担うフランス人のヴァンサン・コベ氏も将来の開拓役としての期待が大だ。

「東芝のNAND型フラッシュメモリ(半導体)の立て役者が小林清志氏。10年先を見据えた戦略を実行に移せる経営センスは抜群。好き嫌いが激しい強烈なキャラで、『クレイジーキヨシ』の異名を持つ豪快な性格も持ち味」(東芝の取引先)

日産のヨハン・ダ・ネイシン氏は南ア出身で、独アウディからゴーン社長が〝三顧の礼〟で迎えた逸材。スズキの原山保人氏も、鈴木修社長が経産省から幹部候補として引き抜いた。今後は「生え抜き以外」からのトップ就任もありそうだ。

かくも多種多様な人材が、熾烈な社長レースを繰り広げる中で、さらに実力を開花させていくのだから日本メーカーの未来は期待ができる。

対照的なのが、銀行だ。'13年はドラマ『半沢直樹』で行内の人事抗争の凄まじさが注目されたが、実はトップの座は「一部の行員」にしか門戸を開かない閉ざされた業界である。

すなわち、出身行、社内の経歴、入行年次がモノを言う世界。たとえば三菱東京UFJの頭取は旧三菱出身の企画畑出身者が既定路線で、「2代先の頭取まで読める」と言われるほどだ。

三井住友は大企業担当、海外担当、企画の3つを経験するのが条件とされ、次の頭取は車谷暢昭氏、橘正喜氏の「(昭和)55年組」で、その次を「59年組」の最速役員到達者たちが争う構図だ。

ただ、波乱もある。みずほでは、佐藤康博頭取が後任を、飯盛徹夫氏をはじめとする「(昭和)59年組」に若返らせるといわれていたが、暴力団融資問題で求心力を失ったことで、もう目がないと思っていた岡部俊胤氏、高橋秀行氏、安部大作氏などの「55年組」が復活する見込みなのだという。

「岡部氏は旧富士銀出身で、旧興銀や旧第一勧銀勢が怪文書のネタにするため女性関係の弱みを探ったが、埃ひとつ出てこなかったとの噂があるほど身持ちが固い。高橋氏、安部氏は旧興銀の同期のエース。3人とも極めて優秀だが、一方で、みずほをガバナンス不在の状態に陥れた元凶として、金融庁の逆鱗に触れて引退した前田晃伸元社長、齋藤宏元頭取の直系。〝内部抗争〟に明け暮れる古いみずほを引きずる存在なのが心配の種です」(銀行業界担当記者)

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