【文部科学 その5】プロフェッショナルスクールの拡充を!「クールジャパン大学」等の設立を!
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あけましておめでとうございます。本年も「100の行動」の執筆頑張ります。昨年までで50の行動執筆が終わりましたが、今年100全てを完成することを目指したいです。

グローバル化の進んだ世界において日本が、経済、文化、政治、外交など各分野において競争力を維持していくには、グローバルな環境でリーダーシップを発揮できる高い能力・専門知識をもった人材が必要だ。しかし、他の先進国に比べて日本では、社会人が能力を身につけるための実践的な教育を施す大学院の活用は進んでいないのが実態だ。

日本では、社会人になった後のスキルアップは、OJTや企業による研修等の機会を通じてなされるのが一般的で、他の先進諸国に比べて、大学・大学院などの高等教育機関を活用する社会人の割合がきわめて少ない。

上のグラフは、文科省の調査による各国の25歳以上の大学・大学院入学者の割合(2008年)だ。少し古い数字になるが、25歳以上を社会人経験者とざっくり仮定すれば、社会人経験後に高等教育機関を活用している割合が、欧米では20%を超え、OECD平均でも21%、隣の韓国でも18%である一方、日本はその比率が圧倒的に少なく、1.8%にすぎない。

大学全入時代を目前に控え、大学の学部に関しては飽和状態に近いが、社会人に実践的な教育の機会を提供する大学院は潜在的に大きな需要がある。日本の競争力を高めるためにも、様々な分野における専門的な教育の機会を提供する大学院の拡充が必要だ。

1.日本のプロフェッショナルスクール(専門職大学院)の質を上げよう!

よく知られるように、アメリカでは学部段階の大学を Undergraduate といい、大学院を Graduate School と称する。そしてこの Graduate Schoolは、一般教養の学術分野を教える Graduate School of arts & Sciences と、法律、経営学、医療など専門分野の実学を教える Professional School (プロフェッショナルスクール)とに分かれる。

アメリカで医者や弁護士になるためには大学を卒業してから Medical School や Law School で専門教育を受ける。アメリカの大学教育の特徴のひとつは、プロフェッショナルスクールでの専門家育成教育のレベルの高さだ。

日本のプロフェッショナルな教育を提供する機関を拡充するという政策において、ここ10年の政府の改革努力はすばらしい成果を上げている。最初の突破口は、2003年の構造改革特区により、株式会社などの学校法人でない民間企業が学校運営をできるようにしたことだ。

株式会社グロービスも、この制度を活用した教育機関のひとつだ。グロービスでは、日本企業や社会の経営人材ニーズに応えるべく、1992 年の創立以来、欧米ビジネススクールと同水準のトップクオリティのMBA プログラムを提供してきたが、この構造改革特区の枠組みに則って株式会社立経営大学院へ移行した。

グロービス経営大学院(※現在は学校法人となり、グロービス経営大学院大学)となったことで、「ビジネスの現場で能力発揮できる実践的内容」「社会人にとって学びやすい環境」「お客様の声を反映した高いクオリティ」といった従来の特徴を活かしながら、「修士号の授与」や「留学生受入れのための就学ビザ発行」など、学校教育法上の大学院と同等の教育サービスの提供が可能となり、社会人学生の能力開発の機会をさらに広げられたわけだ。

さらに、「多様な経験や国際的視野を持ち、高度で専門的な職業能力を持つ人材が多く必要とされるようになっている社会のニーズに対応するため、理論と実務を架橋する実践的な教育を展開する」という目的をもって2003年に導入されたのが専門職大学院制度だ。

専門職大学院は、2003年の制度創設以来10年が経過し、現在では、法曹養成(法科大学院)、教員養成(教職大学院)、会計、経営管理、MOT(技術経営)、公共政策などの分野で計185専攻が開設されている。

法曹人員の適正規模や司法試験の在り方など別の政策目的が絡み合って失敗している法科大学院(ロースクール)の例がクローズアップされることが多いが、この専門職大学院制度によって、研究者教員だけでなく高度な実務能力を有する実務家教員を2−4割以上配置することが義務づけられるとともに、事例調査やフィールドワークなどの実践的な教育が取り入れられるなど、大学院における教育改善の素地はそろっている。

しかし、現在、専門職大学院の学生は約2万人、うち社会人学生は8千人弱で、ここ数年減少傾向にある。学部卒の知識を就職先企業でのOJTで鍛えれば十分であった高度成長の時代とは違い、大学卒業後、キャリアアップのために最新の知に基づくトレーニングをしたいというニーズは確実に増えている。

問題は、日本の大学院の多くがその受け皿としてのレベルに達していないことだ。企業や社会人学生からすれば、最先端の知識やトレーニングを求めると、アメリカの大学が選択肢になってしまう。したがって、ニーズの高い社会人学生が国内の大学院を選択するよう、日本の大学院が質を上げていくことが必要だ。

具体的には、大学院独自の独立したスクールの概念が必要だ。日本では学部中心主義で大学が編成されているため、大学院独自の教員組織や施設設備が充実しておらず、大学院教育を支える教職員、設備などのインフラの拡充も必要だ。米国では、ハーバード大学のロースクール、ビジネススクール、メディカルスクール等は全て独立した教育機関として存在しており、経営もDeanを中心に任されている。

そして、研究だけではなく、学生への教育スキルの高い教員を育成・活用することだ。日本では未だに教員評価でも研究業績が重視される傾向が強い。研究ではなくて、学生への教育をより重要な指標として評価し、教員のスキルアップをはかる。さらに、専門職にふさわしい実業界の第一線で活躍する外部教員の活用、海外のトップクラスの大学院からの教員の招聘なども含めてレベルアップを進めるべきだ。

10年前に導入された専門職大学院制度によって大学院教育改革の「器」は出来ている。あとはそれに「魂」を入れる努力だ。長い年月がかかるが、日本の未来のために継続的な努力が必要だ。

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