田原総一朗 × 佐々木俊​尚 Vol.4
「これからの国のあり方は、小さな国家のようなモデルに変わっていかざるを得ない」

田原 総一朗
[左]佐々木俊​尚さん(ジャーナリスト)、[右]田原総一朗さん(ジャーナリスト)

なぜmixiは盛り上がらなくなったのか?

田原: ソーシャルメディアはFacebook、LINE以外だとどんなものが盛り上がっていますか?

佐々木: ビジネスだとLinkedIn(リンクトイン)というのがあります。日本ではあまり流行っていないですね。あとは、あんまり盛り上がらなくなってしまいましたがmixiですかね。

田原: なんでmixiは盛り上がらなくなってしまったんですか?

佐々木: まあ、Facebookに食われたというのがやっぱり非常に大きいですかね。使い勝手の良さからいうと、Facebookのほうが高いですし。

あと、人と人の距離の取り方ってすごく難しいじゃないですか。mixiの場合は「足あと」機能というのがあって、人の日記を読むとその人が読んだということがわかるようになっているんです。一時その機能をやめたことがあったんですが、そうすると残念だと言って怒る人が出てきたりして、足あと機能があったほうがいいかないほうがいいかというのは微妙なところですよね。

あんまり自分が読んでいるのを知られたくない一方で、誰が読んだか知りたいというのもあるし。そこの人間関係の距離感をうまくとらなければいけないんだけど、Facebookに影響を受けてその機能を外しちゃったものだから、使っているユーザー層の批判を招いたところもありますね。

『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる』
著者=佐々木俊尚
NHK出版  / 定価861円(税込み)


◎内容紹介◎

情報技術の革新は、メディアや産業の構造を根底から変え、超国籍企業を生んで労働と富のグローバル化を加速し、国ぐにの力を殺いだ。ITを基盤としたシス テムそのものが権力化するなか、個人もまた、生きかたの変容を迫られている。これから来る世界はいったいどのようなものなのか。そこでわれわれはどう生き ていけばいいのか。斯界の第一人者が、テクノロジーの文明史を踏まえて未来の社会像を鮮明に描き出す。

⇒本を購入する AMAZONはこちら / 楽天ブックスはこちら

田原: さっきLINEはクローズドだという話がありましたが、クローズドであるメリットって何ですか?

佐々木: 若者の人間関係ってクローズドじゃないですか。オープンな場で付き合おうと思っている人は少数派で、どっちかというとサークルとかクラスとか学級のような狭い世界で生きています。そのなかの人間同士でつきあっているから、コミュニケーションを円滑にしたいという欲求のほうが強くなってしまうというのはどうしてもあると思います。

ただ、あんまりやりすぎると不健康だとは思います。いじめを招きますし、本当はオープンなFacebookのほうがいい。Facebookはなぜ若者に受けないかということを分析している記事があって、要するにFacebookって日常的に毎日会社で会っている人とつながるツールではない。

今まで年賀状のやりとりくらいしかしなかったようなたまにしか会わないような人っているじゃないですか。ああいう人とFacebookでつながっていると、しょっちゅうその人が書いていることが読めるから、つながりが持続できるということが大きい。でも、若者ってたまにしか会わない人とのつきあいなんかなくて、基本的にみんな狭い世界で生きていて、大学のクラスとかサークルとか。そうすると、日常会っている人としかつきあわない人たちが、たまにしか会わない人とのコミュニケーションツールなんか求めないからFacebookが流行らないんだ、ということが書いてありました。

実際、たしかにFacebookって年輩の人が最近すごく多いですね。40代から50代、60代くらいまで広がっていますから、だんだん上になってきているんですね。同窓会が盛り上がるような感覚ですね。

田原: だったら、採用のときにFacebookを参考にするといっても、若い人は入っていないんじゃないの?

佐々木: いや、もちろん若い人も試してはみるからアカウントは持っているんですが、やっぱり自分たちの友だち同士はLINEでつながってつきあっているわけです。ただ、就職して会社員になって、学生時代の友人とあんまり会わなくなると、Facebookを使うようになると思いますね。だから、世代によって使っていないというよりは、年齢が上がると使うようになるということじゃないかと思います。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら