田原総一朗 × 佐々木俊​尚 Vol.3 「これから日本は総透明社会になると思います」

2014年01月09日(木) 田原総一朗
upperline

日本企業でビッグデータをまともに扱えているのは4社

田原: それはどういうことですか? コンピュータの処理速度が速くなっていくらでもビッグデータを利用できるわけでしょう?

佐々木: 顧客の行動データがビッグデータなんですよ。それをそんなに日本企業が持っているかというと、たとえばeコマースの世界ではAmazonと楽天しか持っていないんです。eコマースの購買履歴のデータを大量に持っているのはAmazonと楽天だけで、そこに寡占されてしまっていますね。

たとえば音楽配信の誰がどんな曲を買ったかというデータはAppleがたくさん持っていますけれども、日本企業はほとんど持っていないんです。音楽配信の世界はAppleが寡占しているから。

田原: 早い話が、日本のスーパーなんかは顧客一人ひとりのデータを収集できるんでしょう?

佐々木: やろうと思えばできますが、やるとなるとそれをこれから始めなければならないんですよ。たとえばセブンイレブンはレジに来た人のデータを打ち込んでいますけれども、あれでやっているのは年代と性別だけですね。それ以上のデータは蓄積できていないわけですよ。

田原: ビッグデータでよく言われるのは、道ですれ違って顔を見ただけでその人の本籍から何からみんなわかるという話ですが。

佐々木: でも、その人が誰かというデータを持っているのはFacebookとかしかないですね、現状では。あるいはGoogleも持っているかもしれませんが、日本企業で顔写真とその人の実名と紐づけられるデータを持っているところは今はないですね。

前にビッグデータ関連のディスカッションのイベントに出て、そこでパネラーの人と話したことがあるんですが、今の日本の企業でビッグデータをまともに扱えているのは4社しかない、NTTドコモと楽天、グリー、ディー・エヌ・エーだけ、と。

グリーとディー・エヌ・エーはソーシャルゲームの射幸心を高めるためにビッグデータを扱っています。ドコモは実際に携帯電話でどこをどう移動したかというデータを解析して持っていますからね。楽天はeコマースですから、当然持っています。

それ以外は、仮にデータを持っていたとしても、それを有効活用できていないし、そもそもそのデータをどうやって活用すればいいかというのは、日本ではみんなあんまり考えていないんです。これはもう一つ重要なことで、この間総務省関係の人と話をして「なるほどな」と思ったんですが、結局ビッグデータってプライバシーの侵害になることが多いんですね。

そうすると、今の現状だと個人情報保護法との絡みで抵触する可能性があるわけです。ビッグデータのビジネスは。たとえばJR東日本がこの前Suicaのデータを日立に販売したらすごく批判されたわけです。ああいう問題が起こると各企業としては二の足を踏んでしまうんですよね。

田原: でも、本当はやっているんじゃないんですか?(笑)

佐々木: やっていないです。やろうとしても、怖いからみんなできないんですね。だから、やりたいんだけどできないから、国に何とかしてくださいとみんな陳情しているんですよ。

次ページ 田原: 元CIA職員のエドワー…
前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事