田原総一朗 × 佐々木俊​尚 Vol.2
「グローバリゼーションが進むと、その国でそれぞれコントロールされていたものがコントロールされなくなる」

田原 総一朗

田原: 何だか時代に逆行しているように感じますね。ハードをタダにしてソフトで儲ければいいんじゃないんですか?

佐々木: どこかで儲かればいいんですよ。要するに一つの大きなネットワークがあって、基盤というのはネットワークだと考えると、その基盤のなかにハードウェアもあればソフトウェアもあればいろいろなサービスもあればオンラインショッピングもある、というふうにモジュールが組み込まれているわけですね。

そのモジュール全体を睨んだなかのどこかで儲ければいいわけです。Appleの場合はそれがハードウェアだし、Amazonの場合はそれがショッピングですよね。だからAmazonはKindleなんかをものすごく安く売っていますよね。あれはなんであんなに安いのかというと儲けなくてもいいからで、あれで儲けるつもりはなくて、あれを使ってもらうことでAmazonのeコマースを使ってもらえると考えているからなんですね。

Googleも同様にGmailもAndroidも無料ですけれども、検索エンジンで儲ければいい。だから、常に大きな基盤のなかで一ヵ所バシッと儲かるところがあれば、あとは全部無料にしてしまうことでお客さんを惹きつける、というのが今の企業のやり方です。

ビットコインの登場で銀行が要らなくなる!?

田原: もう一つ、Yahoo!がショッピングを無料にするというのは、決済、マネーを狙っているんじゃないですか。

佐々木: そのなかだけで完結してYahoo!の巨大な経済圏ができあがって自由にお金を流通させることができれば、実際の通貨は要らないという動きはたしかに出てきています。実際、現実の通貨と連動しない「ビットコイン」という謎の通貨も出てきている。あれも本当に今後流通し得るものなのかわからないんですが(笑)。

ビットコインを説明するのはすごく難しいんです。サトシ・ナカモトという謎の日本人が発明した暗号化された仕組みというのがあって、そこから少しずつ金とか銀と同じように採掘されるというかたちなんですね。採掘するソフトウェアというのも出回っていて、そんなにたくさんは採れない。ビットコインの元となる仮想通貨というのが少しずつしか市場に流出しない。

これが希少価値があるので、だんだん価格がつり上がるわけですね。当初流通していた頃よりも700倍とか1000倍といわれていますが、中央銀行が存在しないし発行量がコントロールされていないわけですよ。金鉱を掘るのと同じように、掘れば出てくるけど、どのくらい掘ればいいかとかこれ以上掘るなとか誰もコントロールしていないので、いわゆる中央銀行がない状態です。そういう状態のなかで、暴落したり高騰したり乱高下をくり返しているというのが現状ですね。