【文部科学 その4】 日本の国際化を! 留学生倍増、大学2言語・春秋入学体制へ!
〔PHOTO〕gettyimages

日本では、海外留学する学生の数が減少傾向にある。一方、中国、インド、韓国においては海外留学生が増加傾向である。グローバル人材の育成が叫ばれる中、海外に留学する日本人の数は2004年の8.3万人をピークに減少し、2010年には5.8万人となってしまっているのが実情だ。また、受け入れている外国人留学生も13.8万人と国際的にみて少ないのが現状だ。

日本人の英語力も、世界的にみて低い水準であり、アジアにおけるTOEFLスコアの国別ランキングでは、28位(69点)と、他のアジア各国、1位のシンガポール(99点)、2位インド92点、7位韓国82点などと比べて低い。

さらに、以前にも述べたが、大学の国際化対応が遅れているため、大学の国際的な評価も低く、世界の大学ランキングでは、東京大学が23位、京都大学が52位、東工大が125位などと低位に留まっている。

今後の日本の成長のためには、グローバルに活躍できる若者をさらに増やしていくことが必要不可欠であり、そのためにできることを国家戦略として日本の総力を挙げて行うべきだ。

1. 日本人の海外留学を12万人に倍増させよ!

海外留学を倍増させるために政府、企業、学校・大学のそれぞれがあらゆる努力をする事が必要だ。

冒頭で述べた通り、アジア各国で海外留学生数が増加傾向の中、日本の海外留学者数が減って来ていることは、日本の未来を考えると憂うべき現実だ。政府は現在5.8万人の海外留学者数を12万人に倍増させる目標を立てている。まさに、積極的に進めるべき施策だろう。

政府が出来る最大の努力は奨学金への予算措置の拡充だろう。文部科学省では、来年度予算で150億円程度の予算措置を行い、民間企業などと協力して基金を設けて、大学生や高校生の海外留学への奨学金支援を拡大する方針を取っており、とても評価すべき事だと思う。この基金の創設によって給付型奨学金の支給対象者を今の3倍強の約3万6000人に増やす計画で、基金を運用・拡充し、さらに対象を拡大していくことが望ましい。

企業が、できることは実は多い。一番インパクトが大きいのは、募集要項に、「留学経験者を優先的に採用する」と一言入れることだろう。このことにより、多くの学生が、こぞって留学することになろう。また、採用活動を大学4年生の4月以降にずらすことで、3年生の時に海外留学に出られない弊害を除くことが出来る。政府と産業界が連携して就職活動の時期の是正を行うべきだ。

学校・大学も学生の海外留学を積極的に促進する必要がある。多くの高校では、海外留学した時に履修は単位として認定されない。従い、留学後に1年留年して、一つ下の学年にて再度学習することになるのだ。筆者は、高校時代に豪州に留学して、帰国後一つ下の学年に配属となった経験がある。僕の同級生は皆卒業済みで、とても寂しい思いをした。さらに、一年下の水泳部の後輩と同級生になる。彼らも戸惑うし、僕もやりにくかった。

こういう高いハードルがあると、高校の留学は進まない。だが、高校時代の留学が一番、精神的にも、文化的にも、英語的にも最も良いと経験的に思っている。ところが、驚くべきことに先進的な学校である筈の慶応・早稲田の中等・高等部も、帰国は留年をすることになるのだと言う。それでは大半の生徒が留学を躊躇するのも当たり前だ。

大学においても未だに留年しなければ留学できない大学が多く、慶應や早稲田でも、学部によっては海外留学における取得単位が卒業単位に算入できないところがある。海外の学校との連携を強めて、海外留学における単位取得を卒業単位として認めることがとても重要だ。

一年落ちるばかりか、高校生にとっては大学受験に不利になるために海外留学を躊躇するケースも多い。大学側が、大学受験で留学経験者を優先的に受け入れる体制を作ることも有効だろう。大学入試の募集要項にも、「留学経験者を歓迎する」と一言明記することを勧めたい。

この様に、企業・大学・高校が留学生を増やす努力をすることが肝要だ。グロービスでも率先垂範することにした。早速グロービス経営大学院の学生募集要項に「留学経験者を歓迎する」と一言明記することを指示するとともに、(株)グロービスの社員採用募集要項にも、同様の文言を明記することにした。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら