Change.org日本版の代表・ハリス鈴木絵美
「一人でも多くの市民の声が、政府などの権力に届く社会をつくる」

署名を集めることで、「変えたい」気持ちを形にするソーシャルプラットフォーム「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」。

娘が通う学校にいじめ対策を求める母親から、不当な手数料を請求する銀行に抗議する消費者、汚職の責任を追及する国民まで、さまざまな立場にある市民が、あらゆるテーマで「キャンペーン」を立ち上げ、オンライン上で賛同者を募り、署名を集め、決定権のある者に"「変えたい」気持ち"を届けることができるサービスだ。世界196ヵ国に住む5000万人以上のユーザーたちがChange.orgを通じて、ムーブメントを起こし、社会に変化をもたらしている。

その世界最大の署名サイト「Change.org」が2012年8月、日本にも上陸した。約1年半が経つ今、世界に比べたらまだまだユーザーは少ない日本だが、Change.orgを通じて、眠っていた市民の声とともに、見えていなかった課題が表面化し、解決するためのアクションが生まれつつある。

日本版「Change.org」の代表を務めるのが、ハリス鈴木絵美氏(30)だ。

アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれたハリス鈴木氏は、東京で生まれ育ち、米イエール大学へ進学を決め、その後10年間をアメリカで過ごした。その間、マッキンゼー&カンパニーに勤務、オバマキャンペーンにかかわり、経験を積んだ。「Change.org」日本上陸とともに、日本に帰ってきた彼女は、日本版「Change.org」の顔となり、さまざまなキャンペーンのサポートに奮闘している。

「Change.org」と彼女の現在地、そして、その先に見ている2020年の社会とは---

権力に対して声を上げて、社会を変えていくきっかけを

「Change.org」が浸透している国に比べて、日本では普通の人が政治的意見を持って署名をするという基盤や事例が少ないと感じます。ドイツではこういった署名サイトが5つも6つもあるし、アメリカでは、ネット上で署名を集めることは当たり前のこと。

日本でも、組織的に街頭などで署名を集めて政府に届ける例もあり、重要な役割を果たして来ましたが、一個人として意見を持って署名キャンペーンを立ち上げるとなると、ハードルが高いと感じる人が多いように感じます。それに、戦後経済成長を成し遂げた日本は、比較的裕福で、表面的には平和な国なので、個人が政治について考え、政治家にもの申す機会も少なかった。でも表面的には平和な日本にも、税金が必要なことに使われてなかったり、メディアが権力を向いて真実を伝えていなかったり、多くの女性や子供が暴力にあったり、うまく可視化されていない闇はたくさんあります。

だから、「Change.org」を通して、政府やメディア、企業や組織に対して疑問を持ったときにアクションを起こすきっかけをつかんでほしいと思っています。もちろん、すべてのキャンペーンに賛同してほしいとは思っていません。まずは、発信されているキャンペーンを知ることで、色々な社会問題について勉強して、立ち上がっている人の意見を直接読んで、自分がどう思うかを考えるチャンスを増やしたいです。

そして次に、社会に参加する人として、問題があった時は自分でキャンペーンを起こしたり、賛同したりして、政府やメディアに対して声を上げて、社会を変えていく経験をしてほしい。社会のあり方に対して疑問をもってもいいし、私たちが動くことで変えられるかもせひれない、その様な希望とオーナーシップが日本でもより広がっていったらと思っています。

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