[BCリーグ]
新潟・内藤尚行監督「2014年は一からのチームづくり」

 指導者として、そしてBCリーグでの初めてのシーズンが終わりました。自分としては、納得のいくシーズンを送ることができたと感じています。正直、開幕前は不安でした。指導者として初めてだったことに加え、現場から長く離れていたからです。しかし、終わってみれば、リーグ連覇を果たすことはできませんでしたが、レギュラーシーズンでは前後期ともに勝率7割台、通期(72試合)でリーグ歴代最多となる52勝を挙げることができました。選手のおかげで「オレでもできるじゃん!」と思うことができました。

故障者ゼロで全投手に勝ち星のワケ

 レギュラーシーズン中、苦しかった時期はなかったと言っても過言ではありませんでした。前回述べたように、開幕4試合でチームの強さ、特徴がわかり、自分がすべきことが明確になったことが大きかったのです。そしてもうひとつは、絶対的なエース、寺田哲也(作新学院高-作新学院大)の存在でした。彼がいたおかげで、チーム力は抜群でした。この寺田と佐藤弘輝(黒羽高-日本大国際関係学部)が先発の柱を担ってくれましたので、あと1枠を他の投手が争うことで、お互いに切磋琢磨できたことも良かったと思います。

 そして、投手陣は誰ひとり大きなケガをしなかったことも、チームの層を厚くしました。実はその要因のひとつは、“余分なピッチング”を排除したことにあると感じています。通常、先発以外のベンチ入りピッチャーは試合の途中で肩をつくります。しかし僕自身、現役時代、「登板しないのに、なぜピッチングをしなければいけないんだろう?」と疑問に思っていたのです。そこで、今季はその慣習をやめたのです。そうしたところ、故障者が出るどころか、登録メンバー12人全員が勝ち星を挙げることができました。

 一方、打線はというと、やはり1番・福岡良州(流通経済大附柏高-流通経済大)、4番・足立尚也(横浜商科大高-桜美林大)の活躍が大きかったですね。もともとパワーのある福岡は、持ち前の積極的なバッティングで強い打球を飛ばし、二塁打になることが多くありました。そのため、盗塁がなくても、十分にリードオフマンとしての仕事を果たしてくれました。二塁打が多かったのは、福岡だけではありませんでした。チームとしても6球団で唯一3ケタをマークしたのです。セオリー通りにランナーが塁に出れば、犠打でランナーを進めるのが私の基本的な考えです。にもかかわらず、今季は犠打数が60と少なかったのは、二塁打が多かったからなのです。バントという選択肢をとらずに、次の打者にも思い切り打たせることができた。これが得点にもつながったのだと思います。

 足立の4番起用は、野球への取り組む姿勢はもちろん、私生活を見ても、「4番は彼しかいない」と私が決めたことでした。しかし、最初は周囲から「えっ!? 足立が4番で大丈夫?」という声があがっていたことも事実です。しかし、足立はしっかりと期待に応え、誰もが認める4番打者となってくれました。「自分の目に狂いはなかった」と、私も自信をもつことができました。

 残念ながらミリオンスターズとのリーグチャンピオンシップでは、レギュラーシーズンの強さが発揮できませんでした。一番のポイントとなったのは、やはり初戦でしょう。先発した寺田が、初対戦だったサンチェスに初球をスタンドに運ばれ、先制2ランを浴びたのです。結局、これが決勝点となりました。この一発で、初戦のみならず、チャンピオンシップの主導権を握られてしまったのです。私も選手も、1球の怖さを改めて痛感させられました。