電通子会社を巻き込んだ「LED商法詐欺」、容疑のキーマン2人を直撃! 当事者が語る事件の構図と警視庁の狙いとは

一本1万円内外のLED照明を77万本、120億円分を一括発注――。この常識外れのビジネスを耳にしたのは、約2年前のことである。取材を始めると、常識外れの発注には、やはり犯罪が絡んでいた。警視庁組織犯罪対策4課は11月8日、家宅捜索に着手した。

捜索を受けて、私は本コラムに「かくして電通子会社はLED照明で詐欺にあった。警視庁組対4課はその『闇』を照らせるか」(11月21日)と題し、警視庁が描く「疑惑の構図」を書いた。電通100%子会社の電通ワークス(DW)が詐欺事件の被害者で、詐欺の主役がLED照明開発会社のワールド・ワイド・エンジニアリング(WWE)とその〝仲間〟である代理店。ユーザー→代理店→DW→WWE→製造子会社という発注形態のなかで、DWはWWEと代理店に騙された、という構図である。

そのため、家宅捜索令状には、「詐欺 津田悦資ほか5名」と書かれていた。WWEの代表は長谷川篤志夫氏だが、組対4課はWWEの出資者で代理店群に人脈がある津田氏を〝主役〟と見ている。

電通グループだけでなく、鉄鋼大手・JFEエンジニアリング、全農の紙パック部門である全農ハイパックといった大企業を巻き込んだ疑惑のLED商法とは何なのか。捜査当局はどんな思惑のもとに捜査着手、現在どのような捜査を展開しているのか。「キーマン」とされた長谷川、津田の両氏を直撃した。

「純粋な循環取引だった。詐欺には関わっていない」

――事件の発端は、DWを巻き込んだ循環取引ということでいいか。

長谷川「DWには、環境事業の柱としてLED照明を育てたい意欲があり、当社には電通の総合力への期待があった。DWは新たに立ち上げた事業の売上確保を図り、当社はこれに応える形で仮発注につながった」

――しかし、電通とDWは詐欺で告訴。完全な被害者と主張している。

長谷川「それは法律違反を認められない社内事情があるからではないか。前渡金を騙し取る目的はない。当社は受領した前渡金によって商品を製造、納品している。納品後残代金50%は受け取っておらず、逆に残代金相当分も当社で負担している。

つまりDWに被害は発生しておらず、逆に当社は10%の利益を上乗せして還流させたので損失が出ている。詐欺ではない。また、循環取引は当社の税務調査で判明し、税務署から指摘された。自動的に国税当局はDWの循環取引も承知し、修正させているはずだ」

――やればやるほど損の出る循環取引を続けたのはなぜか。

長谷川「電通の総合力を信じた。今は決算の帳尻合わせだが、電通の圧倒的な総合力にLED照明の将来性を考えれば、初期段階の損はすぐに解消できると思った」

――では、なぜ詐欺容疑の家宅捜索となったのか。

長谷川「DWが関与した商品の流れ(商流)の中には当社が関与しないものがあり、そこでは商品がまったく流れず、DWの前渡金も返済されないものがあるのは事実。それは詐欺といっていい」

――カネと商品の一部が、グルリと回転する循環取引と、カネが途中で消える循環を装った詐欺との2つがあるということか。

長谷川「そう思ってもらっていい」

――家宅捜索は、「容疑は詐欺。津田悦資ほか5名」となっていた。警視庁は、詐欺的循環に御社が関与し、長谷川社長のパートナーの津田氏も詐欺の一員と見ているということではないか。

長谷川「詐欺と断定した家宅捜索ではないし、取り調べではない。事実、ゆるやかな事情聴取を受けているだけだ。詐欺ではなく、当社が関わったのは循環取引で、それをDWが承知していたというふうに、当局の考えが変化している」

津田「いろんな商流に私の知人が含まれており、詐欺という事件構図を組み立てる時、私を中心にした方が事件を組み立てやすいと考えたのではないか。でも実際には、純粋な循環と詐欺的循環の2つの流れがあり、私は詐欺的循環には関わっていない」

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