集中連載「健康市場の〝黒船〟」第2回 甘い認証基準と天下り機関が生む、日本製サプリの「玉石混交」

2013年12月26日(木) 井上 久男
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ファンケルは研究開発にも力を入れ、研究所のスタッフ約140人のうち、薬学などの博士号を取得している専門家が11人いることも開示した。「特に研究開発部門に、論文など世界の最新動向を調べる学術部という部署があることも強みで、自社製品と薬3万種類の飲み合わせを調べるデーターベースも保有している」と三澤氏。ユーザーからの問い合わせにもコールセンターで即答できる体制を構築している。

「事後承認」の新制度に反対する厚労省の天下り機関

こうしたファンケルの取り組みを取材している限り、日本企業も捨てたものではない。ただやはり、全般的に日本の健康食品産業の管理体制は甘い。その要因は大きく2つある。

まずは、日本では法律などで健康食品とは何かが明確に定義されてこなかったため、位置付けが曖昧となり、その結果、玉石混合の状態で中小企業が乱立していることだ。中小企業の経営体力では、エビデンスをしっかりと証明できる研究体制や、品質を極めていく体制を構築することにも限度がある。

もうひとつの理由に、官民の癒着体制が挙げられる。日本版GMPの認証は、厚生労働省の天下り先である公益財団法人「日本健康・栄養食品協会」および一般社団法人「日本健康食品規格協会」が行っている。

前者の理事長は元厚生労働省健康局長の下田智久氏で、会員は主にトクホを扱う企業である。厚労省の天下り先が公正中立な第三者認証機関となり得るのだろうか。疑問が残る。消費者のための健康食品産業というよりも、業界の利権擁護に活動の基軸が置かれているように筆者の眼には映ってしまう。

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