クラウドワークス吉田浩一郎『世界の働き方を変えよう』~第6回~
初めての起業、「ZOOEE(ゾーイ)」設立

吉田浩一郎『世界の働き方を変えよう』(総合法令出版)第二章より抜粋

初めての起業、「ZOOEE(ゾーイ)」設立

著者の吉田浩一郎氏

2007年10月、いよいよ自分の会社を立ち上げた。社名は「株式会社ZOOEE」。ゾーイと読む。

会社を設立しようという頃、キャサリーン・ゼタ=ジョーンズ主演の『幸せのレシピ』という映画を観た。この映画に登場する、母の愛情を受けて育っていく娘の名前が「ゾーイ」。響きがすごくいいと思って調べてみると、その由来はラテン語の「命」だった。

自分の会社では、人と組織を大切にして育てていきたい。そういう思いを持っていた私は、「命のように大切に育てていく」という願いを込めて、この「命=ゾーイ」を社名にしようと決めた。映画に登場した娘の名は「ZOE」と綴るが、ラテン語の正式な綴りである「ZOOEE」を採用した。

この会社で、まずはこれまでの私自身の経験やつながりを活かして、経営コンサルティングとITシステムの受託開発をメインの事業としてスタートした。そして、それと並行して、何か新しい事業を起こそうと考えていた。

実はこのとき、インターネットビジネスはもうこりごりだと思った。なにかリアルなビジネスをやろう。IT企業で地獄を見た直後だっただけに、そればかり考えていた。

それともう1つ。これまでは日本の中だけでビジネスを考えてきたので、次は国境を越えたいと考えた。山あり谷ありでここまで来たが、いつも経験から何かを学んでは、転機の度にその時々にふさわしいステップアップを続けてきたので、今回もそうしたかった。思い起こせば少年時代を過ごした神戸から、予備校時代に自分のテリトリーを大阪にまで広げ、大学時代から今までで東京へと広げてきたわけだから、今度は海外へ広げるというのも、ステップアップの1つの方法だと思ったのである。

ちょうどBRICsの台頭が話題になっている時期だったこともあり、ブラジル、ロシア、インド、中国のどこかをマーケットにできないか検討した。しかし、みんなが注目する新興国には、すでに大企業が大きな資本を投じて進出している。やはりベンチャー企業は、人がまだ手をつけていない未開のマーケットを独自に開拓するべきだと思った。

ちょうど時期を同じくして、ダイエーの創業者、中内功氏の創業ストーリーを読む機会があり、終戦間もない時期、中内氏が神戸は三宮の高架下で小さな店を始めた頃のエピソードに出会う。中内氏は4人兄弟の一番上で、父親は薬局を営む薬剤師。父と息子たちとで人口甘味料を開発・製造し、それが大当りして儲けた分が、中内氏の商売の元手になったという。まだ街には闇市が立ち、砂糖などとうてい入手できなかったときの話である。砂糖の代替品として、人口甘味料が重宝されたというわけだ。

世界の働き方を変えよう
著者= 吉田浩一郎
総合法令出版/1,470円(税込み)

◎内容紹介◎

「最短15分で仕事のマッチングが可能に」「最年長ユーザーは85歳」「会員登録は世界135カ国」「フリーランスにも正社員と同じ福利厚生を提供」 等々、「時間と場所を選ばない新しい働き方」を実現するための様々な斬新な取り組みを打ち出している株式会社クラウドワークス。
本書は、前半でもともとは役者志望だった創業者・吉田浩一郎氏が様々な紆余曲折と挫折を経て、クラウドワークス創業1年余でクラウドソーシング業界トップ に躍り出るまでの経緯と秘訣を明らかにし、後半で世界的に勃興するクラウドソーシングビジネスの最新事情と、多様化する21世紀のワークスタイルの中で、 ビジネスパーソンがどのように仕事と向き合っていくかを提言。巻末にライフネット生命保険社長・岩瀬大輔氏との特別対談を収録。

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