知らぬは客ばかりなり 外食産業実はこんなふうに作ってます一覧表付き 生姜焼きから、ネギトロ、クリスマスケーキまで

2014年01月14日(火) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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椎名氏によると、加工肉には、冒頭で紹介したインジェクション肉の他に2つの種類があるという。

「細かな肉を集め、結着剤でくっつけて形を整える『結着肉』と、硬い肉の筋を抜いて酵素添加剤などを加えて柔らかくした『柔らか加工肉』です。とくに結着肉は相当な量が流通しています。サイコロステーキなどは、内臓や脂身、すね肉などの細かい端肉を結着剤で固めてカットした結着肉。激安の焼き肉店などで提供されるカルビやハラミなどにも多い。結着肉を焼いてみると、脂分が多いため異常に火が上がったり、肉がばらけるという特徴が見られます」

肉に使われる結着剤は、リン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、増粘剤などの食品添加物。こうして作られた肉も「ステーキ」などと表示されていたことは、一連の食材偽装問題で話題になったわけだが、気持ち悪いと思うかどうかはともかく、きちんと調理すれば安全性にはかかわらないという。

そもそもの始まりは、消費者を騙して店舗が儲けるためではなく、利用法が限られていた牛肉を活用するために生まれた技術だった。

「業界で言う『ババ牛』、つまり乳の出なくなったホルスタインの経産牛は、硬くてそのままでは食べられないような肉質ですが、インジェクションの技術によって、食肉として利用する価値が出てきたのです」(「食の安全・安心財団」事務局長・中村啓一氏)

「柔らかい」「脂がのっている」ということが美味しさの条件になっているいま、それを安価に実現できる加工技術が急速に普及していった。それは魚介類にも広がり、こんなメニューにも最新の〝調理〟技術が駆使されている。

回転寿司店やスーパーなどで販売されるネギトロの軍艦巻きだ。マグロの中トロを叩いたものに刻んだネギが載ったもの—なんて思ったら大間違い。

安価なものの場合、キハダやカジキといったマグロの「赤身」が使われる。口に入れたときの滑らかな食感は、ショートニングという人工油脂や精製ラードが混ぜられているためだ。

「安いネギトロは全体の2割が、魚ではなく脂です。ただし、それだけでは味が薄くなってしまうので、化学調味料なども入っていて、美味しいと感じるように味が調整されているのです」(食品安全教育研究所代表・河岸宏和氏)

ネギトロを醤油に付けたら、あっという間に醤油皿全体に脂が広がる、なんて経験はないだろうか。その理由はこんな製法にあったというわけだ。

カットサラダは嫌かも

脂は、食感を滑らかにするだけでなく、うま味を出すためにも使われる。たとえば、レトルトカレー。通常、カレーは野菜や肉などさまざまな具材を入れて煮込まれるため、食材から自然なうま味が溶け出す。しかし、美味しいカレーを安価で提供しようと思うと、具材は最低限の量に抑えて作らねばならない。そこで活躍するのが「牛脂」だ。

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