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新聞はなぜか黙認!民主党政権の失策を踏襲し、さらに税金を大盤振る舞いする「東電支援拡充策」を密室で決めた安倍政権への疑問

 資本主義のルールと常識を無視して、東京電力の福島第一原発の事故処理の支援を拡大する政府の方針が先週(12月20日)、決定された。

 その問題点は、破綻処理せず、期待し難い国有東電株の売却益を当て込んで追加支援をするとしたことによって、国民負担が膨らむリスクが高まるだけではない。

 いったい誰がどういう検証をして支援の強化が妥当と判断したのか、まったく詳細が明かされないまま密室で構想が作られ、いきなり安倍晋三首相が出席する「原子力災害対策本部」と「原子力防災会議」の合同会議でお墨付きを出すという、国策作りとしてあり得ないプロセスを辿った問題もある。

 1~2年後に再追加支援が避けられない可能性が残るうえ、このシナリオを実現するには柏崎刈羽原発の再稼働が前提になっている。つまり、国民負担が嫌ならば、東電の原発運転再開を飲めと国民を恫喝する時限爆弾が仕込まれているのだ。

 各紙の記事を見る限り腰がひけており、新聞が独自に密室の決定プロセスの解明に挑んだ形跡がみられない。

 世論の反発を恐れて「決められない」民主党政治も困ったものだったが、反発を避けるために「オープンな議論を封印し、密室で黙って決める」という安倍政治には危ういものがある。

密室の政策決定を批判しない新聞

 本稿の執筆段階(22日)になっても、今回の支援強化策の中身はきちんと公表されていない。そのため報道を要約するしかないが、今回の支援強化策は、東電に対する資金支援枠を8兆円(従来は5兆円)に拡大すること、東電が責めを追うはずだった中間貯蔵の費用(1兆1000億円)と除染の費用(2兆5000億円)を政府が肩代わりすることの2本柱になっているようだ。

 財源は、国民が電気代に上乗せして支払っている電源開発促進税を中間貯蔵施設の用地取得と建設費用に、政府が保有している国有東電株の売却益を除染費用にそれぞれ充てるという。東電株の売却益が確保できるまでは、東電が立て替える仕組みになっているらしい。

 各紙は、これを「東電再建への不安要因が取り除かれたことになる」(読売新聞)、「『現実路線』への転換」(朝日新聞)などと持ち上げている。20日付朝刊1面トップで「国民負担 追加の恐れ」と批判した東京新聞でさえ、将来の東電株の売却の難しさを「皮算用」と指摘するにとどまった。すでに実質的に経営破綻している東電の存続に異を唱えないばかりか、密室での政策決定の糾弾をそろって封印してしまったのである。

 だが、いい加減な国策が、このような決定プロセスで決まり、新聞が問題の指摘さえしないという状態は、戦前の政府と新聞の関係を彷彿させる。政府が、先の国会の閉幕直前に成立させた「特定秘密保護法」が早くも猛威を振るい始めたのか、とさえ疑いたくなる。

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