ブラジルW杯の組み合わせを、皆さんはどのようにご覧になりましたか?
過去のW杯優勝国が含まれていませんし、第1シードから漏れたヨーロッパの強豪との対戦もありません。決して楽観視はできませんが、悲観する組み合わせでもないでしょう。非常に公平な組み合わせという印象を抱きます。
W杯が32ヵ国で開催されるようになった1998年以降の大会で、決勝トーナメントに進出したことがあるのは、4ヵ国のなかで日本だけです。グループステージの3試合をどのように戦い、ベスト16入りを狙うのかという経験値では、グループ内トップと見て差し支えありません。
大会を勝ち抜くためのポイントを、いくつかあげてみましょう。
まずは時差調整と暑熱対策です。
現状のメンバー構成を見ると、日本代表のほぼ半分はヨーロッパでプレーしています。暑くもなく寒くもなくといった気候のもとで、ほとんどの選手はシーズンの終わりを迎えます。
その一方で、W杯が開催されるブラジルは寒暖の差が激しい土地柄です。6月でもTシャツ1枚で過ごせる土地があれば、厚めのコートが必要な場所や時間があります。気候の変化にどのように身体を馴染ませていくのかは、ピッチに立つ前の重要なポイントです。
事前合宿をどこで行なうのか。中東なのか、ヨーロッパなのか、あるいは北米なのか。そのうえで、ブラジル国内のベースキャンプ地にどのタイミングで入るのか---このあたりの見極めが大切になってくるでしょう。
ベースキャンプ地は、サンパウロ近郊のイトゥという都市に決まりました。サンパウロには日本食レストランがたくさんありますので、食材の調達が容易と考えられます。
また、日本代表のオフィシャルスポンサーの子会社が、イトゥに本社を置いています。ミネラルウォーターなど飲料も、日本から大量に運搬する必要がなく、現地で調達できるのではないでしょうか。
普段から飲み慣れているものを口にできる選手はもちろん、スタッフの負担も減るという意味で、イトゥは利便性の高い街と言えそうです。最寄りの空港へのアクセスも、スムーズと聞いています。