閉鎖を決めた学科も…米国で止まらない大学生の「文系離れ」

ニューヨーク・タイムズ(USA)より

2013年12月29日(日)

米国の大学で人文科学を専攻する学生が減少している。景気低迷の影響で、大学は教養を身につける場所というより、就職の準備をする場所として意識されるようになったからだ。就職に有利とされるコンピュータ・サイエンスのような理系の専攻に学生が集中するなか、文系の人気は低い。

名門スタンフォード大学はフランス文学や言語学の分野でも優秀な研究成果を挙げていて、人文科学担当の教員は学部全体の45%もいる。だがそれに対して人文科学を専攻する学部生は全体のわずか15%だ。

財政状況が厳しい公立大学では、人文学科が閉鎖されるところも出てきている。たとえばペンシルベニア・エディンボロ大学は、履修者の少ないドイツ語、哲学、世界の文化・言語などの学科を閉鎖すると発表した。

ニューヨーク・タイムズ(USA)より

名門大学では学科の閉鎖にまでは至っていないが、文系学生数の減少は深刻だ。ハーバード大学の調査では、入学時には人文科学を専攻すると答えていた学生のほとんどが別の専攻に移っていることがわかった。現在、大学側は1年目の人文科学プログラムを組み直して、学生の興味をつなぎとめるよう取り組んでいる。また、プリンストン大学やスタンフォード大学では、文系の学生を集めるため、人文科学に興味のある高校生向けの講座を始めている。

こうした取り組みがある一方で、ほとんどの大学では、経営陣から科学・工学・数学といった分野を強化するように圧力がかかっているという。理系の学科は連邦政府から豊富な資金援助が得られるからだ。

理系に比べて文系に充てられる資金が減っている背景もあって、文系学科は今後ますます苦戦を強いられそうだ。

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