企業・経営
人手不足、資材高騰で「入札不調」が続出。建設バブル到来でも、単純に喜んでいられない業界の実情とは

建設バブルが始まって、建設業界が活況を呈している。

ただ、問題も多い。人手不足と資材高騰は深刻で、市場単価が建設予定価格に反映しない公共工事では、ゼネコンが入札に参加せず、入札不調となるケースが続出している。

予定価格合わない公共工事。年度末は入札不調の山か

その象徴が、築地市場を江東区豊洲に移転する建設工事だろう。水産仲卸売り場、水産卸売り場、青果場の主要三棟の入札に、予定されていたゼネコンが参加しなかった。3件合わせた予定価格は約628億円。それに対してゼネコン側の算定価格は約1.5倍。単純計算で900億円を超えていたわけで、これでは話にならない。

東京では、ほかにも「すみだ北斎美術館」「赤羽体育館」など入札不調案件は少なくなく、この傾向は全国に広がっている。もともと被災地の特殊事情だった入札不調が日本各地を覆っている印象で、恒例化している年度末の駆け込み入札では、「入札不調の山が築かれるのではないか」と、国交省幹部は心配している。

公共工事だけではない。民間需要も好調で、ゼネコンは工事を選別し始めた。マンションの1坪当たりの建設費は3年前に比べて約3割もアップ。こうした上昇分を、かつては建設コストの切り詰めで吸収、その分、ゼネコンの利益率は下がっていたが、今は攻守が逆転した。ゼネコンの強気をデベロッパー側が呑む。

こうして官公需と民需の双方が高まり、構造不況業種といわれた建設業界に明るさが戻っている。

直近のゼネコン決算は、過去の低採算受注が残っていて利益率は低いが、今年に入ってから受注採算を改善させており、来年度以降の決算は各社とも、かなりの利益率を確保すると目されている。需要について死角は見られない。

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