変革は辺境から起こる!? 日本のグローバル化は九州から ~福岡編~

アジアの中心に位置する福岡

先日、福岡と大分で続けて講演する機会があった。そこで「九州から日本のグローバル化がすでに始まりつつあるのではないか」と感じた。今回は、福岡で感じたグローバル化の息吹について書いてみたい。

九州滞在初日は九州大学にて講演をした。招いてくださったのは、サンタモニカで親しくさせて頂いた牧野洋・牧野恵美さんご夫妻。お二人ともコロンビア大学ジャーナリズム大学院を修了されているジャーナリストだ。

牧野洋さんは元日経新聞証券部の辣腕記者で、かつて国会や党で金融市場を担当していた私は、牧野さんが書く記事のファンであった。奥様の恵美さんは、日経新聞でご活躍後、ピーター・ドラッカーが教鞭をとっていたことで有名な米西海岸の経営大学院ドラッカースクールで博士号まで取得された才媛。今は九州大学の起業家育成プログラムで教鞭をとっておられる。

彼女の招へいで講義をさせていただいたカリキュラムのお題は"アントレプレナーマーケティング"。このタイトルに戸惑う私に牧野さんは「田村さんの人生自体がマーケティングみたいなものなので」と優しい言葉を投げてくれた。

講演をして感じたのは、九州には外向き、いわゆる海外志向の学生たちが東京よりも多いのではないかということだ。九州に比べて、まだまだ豊かな内需に支えられ、オリンピックの招致が決定し、これからさらに投資が集中するであろう東京は、「やっぱり東京が一番!」とすでにやや内向き志向になっている気がする。

一方、人口が増加しており、九州の中では一人勝ちとはいえ、福岡には、4000万人という世界最大級の後背地を持つ東京とは違い、九州全体で見れば高齢化と人口減少が進む今後は、外需を探るほかないという切迫感がある。しかも、外需を狙うには九州、特に福岡は、東京に勝るとも劣らないくらい有利な立地なのだ。

福岡の最大の魅力の一つは空港。福岡市内各地から車で15分、地下鉄ならJR博多駅から5分という至便な立地である。しかもアジア各地へ飛べる国際空港でもある。東京に行く感覚でソウルや上海に行ける。アジアの中心へ国内旅行感覚で飛べるのである。世界で3億人が利用するアプリLINEもアジア展開を狙って、本社を福岡に移した。ネット薬販売のケンコーコムも世界を狙って本社は福岡としている。

生活コストの安さも魅力である。福岡で起業をしている知人は、JR博多駅から二駅という市内一等地にSOHO型マンションを借りているが、新築の130平米・駐車場込みで月20万円。自宅兼オフィスがこれだけ広々としていて月20万円なら事業のランニングコストもぐっと抑えられる。東京やロサンゼルスに住んでいた牧野ご夫妻によると、「家賃以外の生活コストも2割くらい安い」という。

「四季折々、食べ物がおいしく、都市と自然の距離が近く、それでいてコストが安い福岡は子育て世帯にはパラダイス」と三人のお子さんを抱える牧野ご夫妻はお気に入りの様子だ。

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