米国防総省がゲーム・サイトを運営開始: 真の狙いはスパイ探査か?
ベリゲームス・ポータルのトップページより

国防総省に属する高等計画局(DARPA=ダーパ)といえば、最先端の軍事兵器や諜報機器の先端開発に取り組む機関として有名だ。そのDARPAが最近、ゲームサイトの運営を始めて話題をよんでいる。

その名前はベリゲームス・ポータル(Verigames.com)。ホームページを覗いてみると、クラッシクなイラストとともにPC用やタブレット向けなど5つのゲームが並んでいる。

もちろん、米国防総省がゲーム・サイトを運営するには理由がある。ゲーマーが無料ゲームを楽しむうちに「ソフトウェアのバグ(プログラムのミス)探しに協力」させられていると言う・・・。

パズルゲームがソフトウェアの検証をする?

ベリゲームスの正式名は「Crowd Sourced Formal Verification」という。日本語にすれば「大衆によるソース(コード)正規検証作業」プロジェクトとなるだろう。

同サイトの「ストーム・ボンド」「サーキットボット」「サイレム」「フロージャム」「ゴーストマップ」という5つのゲームはいずれもパズル風ゲーム。それぞれには数学的なアルゴリズムが仕組まれている。

DARPAによれば、これらのゲームをプレーヤーが解くと、組み込まれた数学的ロジックによって、ソフトウェアのバグやフロー(作業過程)の検証ができるそうだ。もし、不具合がみつかったら、ソフトウェアを開発した団体に報告し、改善を促す。多くの人が知恵を集めて、高度なソフトウェアのチェックを行うわけだ。

このCSFVゲームを開発したのはトップ・コーダー(TopCoder、最高のソフトウェア開発者という意味)というデベロッパー・コミュニティー。同団体はソフト開発者やデザイナー、数学者など約60万人のメンバーを抱えている。

人々の力や資産を借り集めて公共的な問題の解決や高度な事象の分析を狙う事例は、珍しくない。たとえば、カリフォルニア大学バークレー校が行った地球外知的生命の探査プロジェクト「SETI@home」は、多くの市民が参加した大規模なプロジェクトとして今も語り継がれている。

1999年に始まった同プロジェクトは「知的エイリアンを見つける」という夢のあるプロジェクト。一般市民はバークレー校が用意したソフトウェアをダウンロードするだけで、自分のPCがアイドリング状態の時に、ネットワーク経由で巨大な電波望遠鏡データーの解析を手伝う。巨大なパソコン・ネットワークでスーパー・コンピュータが必要な仕事を分散処理するもので、約300万人がPCのボランティアに参加した。

今回のCSFVでは、膨大なプログラムを5行程度に断片化して、それぞれの断片をゲーマーが確認してゆくようにゲームが作られている。いったい何のアプリケーションを確認しているか知りたいところだが、DARPAは名前を公開していない。おもわず「国防総省が使用している軍事ソフトでは?」と勘ぐりたくなるが、あくまで「一般に流通しているオープン・ソース・ソフト」を検証しているそうだ。

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