2014年度の景気・予算はどうなるか。消費税増税のマイナス緩和へ、「中身」より「量」の景気対策を

2014年度の景気はどうなるのか。消費税増税があるので、今年度より当然悪くなると予想される。民間エコノミスト41人の予測をまとめたESPフォーキャスト調査によると、14年度成長率の平均は実質が0.8%、名目が2.3%である。筆者は実質▲0.1~0.9%、名目1.9~2.9%とみている。幅をみているのは、以下に述べるように、補正を含む財政政策如何だからだ。

なお、政府の14年度の経済見通しは実質1.3%、名目で3.3%だ。8月に発表した実質1.0%、名目3.1%を上方修正するという。13年度はアベノミクス効果で実質2%が確保され、その上に消費税の駆け込み需要が加わり、実質2.8%と見通されている。14年度もアベノミクス効果は維持されるが、駆け込み需要の反動減と消費税による景気後退で成長が鈍化するのは確実と、民間も政府も見通している。

アベノミクスの効果による実質2%がベースとなり、駆け込み需要の反動減で▲0.6%程度になるのはほとんどの人で同じだろうが、消費税のマイナス効果や財政の下支え効果の意見が異なり、どこまで鈍化するかの見通しが異なっている。

金融緩和していれば、財政政策は十分効く

消費税のマイナス効果を楽観視する人の中で、しばしば、マンデル=フレミング効果を持ち出す人がいる。「日本は変動相場制なので、金融政策は有効だが財政政策は効かない。従って、財政政策の一種である増税をしても大きな景気の落ち込みはない」というロジックだ。

こういう人は、文字でしか経済を理解できないのだろう。マクロ経済に限らず、経済学ではほとんど数式で記述することができる。いくつかの連立方程式体系でマクロ経済を記述すれば、変動相場制であっても財政政策が効くかどうかは、金利にどういう影響があるかどうか、つまり金融政策の状況に依存することがわかる。十分に金融緩和していれば、財政政策も十分に効くのである。

今は異次元の金融緩和をしているので、積極的財政政策も緊縮的財政政策も両方ともに効くと言える。従って、消費税増税も景気をかなり落ち込ませると考えたほうがいい。

消費税増税のマイナス効果を緩和するためには、金融政策と財政政策というマクロ経済政策による景気対策しかない。マクロ経済対策の場合、有効需要の観点からみて、まず重要なのは量である。はっきり言えば、中身は二の次である。

まず金融緩和である。しかし、金融政策では本格的な効果は2年程度のラグがあるので、来年4月からの景気の落ち込みにはちょっと間に合いそうもない。ただし、来年後半の落ち込みには不十分ながら間に合うので、やらないよりやったほうがいい。

もう一つは積極財政である。これは、執行すれば即効性がある。少なくとも1年以内には効く。今回5.5兆円の補正予算ということになったが、これは今年1月の10兆円補正に比べて半分なので、決して十分とは言えない。1年前と比較すればマイナス要因だ。今年1月には、政権交代したので、民主党政権時代にため込んだ国債整理基金をはき出して財源にした「政権交代祝い」補正だ。

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