中国
第二次朝鮮戦争勃発か、それとも金正男擁立か!? 張成沢粛清で中国を完全に敵に回した金正恩の未来や如何に
〔PHOTO〕gettyimages

暮れの北朝鮮が、周知のように凄いことになっている。韓国ドラマも真っ青の粛清劇が展開されていて、明日は何が飛び出してくるのか知れない。

そのため、北朝鮮報道も百花繚乱だが、日本の報道を見ていると、中国からの視点が欠けている。北朝鮮のような周囲を4大国(日本も大国に含めた場合)に囲まれた小国には、純粋な国内問題などありえない。特に貿易の8割を中国に依存していること、処刑された張成沢前党行政部長が中朝をつなぐパイプ役だったことを思えば、中国からの視点は非常に重要だ。

習近平は金正恩に強い不満を抱いている

中国の先代の胡錦濤主席は、僻地の勤務を3度もしたことがあるため、少数民族問題に造詣が深く、国境付近の執政に関しては、「維穏第一」という方針を堅持した。「維穏」とは、「秩序維持」という意味だ。つまり、国境を動揺させないためなら、中国はある程度、隣国に妥協するという宥和策である。

だから胡錦濤は、金正日に翻弄され続けた。金正日は、世界の国家元首の中で唯一、いつ何時であれフリーパスで訪中を許されていた。かつ訪中時には、これも世界の国家元首の中で唯一だが、中国共産党のトップ9人が、どんなに多忙でも顔を揃えて出迎えることにしていた。

また、食糧・重油・化学肥料の3点セットをふんだんに援助し、その額は中国の全ODA予算の4分の1にも上った。それくらい、胡錦濤主席は金正日に気を遣っていたのである。

これに対して、いまの習近平主席は、まったく違った視点から金正恩体制を見ている。まず、対北朝鮮外交は、実利外交に徹するということだ。「朝鮮半島の血を分けた誼(よしみ)」などという時代は、完全に終わった。

代わって、「カネを出すなら口も出す」という姿勢をとっている。金正恩政権が従順なら援助も増やすが、逆らうなら援助を減らす。すべては是々非々で付き合うということだ。

この原則に鑑みて、習近平主席は、明らかに金正恩第一書記に対して、強い不満を抱いている。過去2年にわたって、北朝鮮側は再三、金正恩訪中を中国側に要請している。だが習近平主席は、決して首を縦に振らないのだ。

この「トップの空気」は、中国外交部の人々と話していても分かる。胡錦濤時代に「朝鮮」と呼んでいたのが、「棒子」(棒のようなトウモロコシばかり食べている貧民の意)と呼び出した。金正恩は「胖子」(デブ)に変わった。これは、上部の金正恩体制を軽蔑した雰囲気を如実に反映しているものと言えるだろう。

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