【文部科学 その2】 教育委員会は廃止し、学校長の権限を強化し、TOEFL中心の英語教育にせよ!
〔PHOTO〕gettyimages

世界のトップレベルの高等教育を受けようと、新興国を中心に世界中から毎年70万人の学生が米国に留学する。世界最高水準の大学が数多く存在する米国が、今後も世界経済の牽引役であり続けることは想像に難くない。

しかし、そのアメリカでも教育改革は政府の最重要課題として進められている。

アメリカでは、公立学校に競争原理を導入し、成績不振の学校の閉鎖や能力の低い教師の解雇、優秀な教員の厚遇などを可能としている。ブッシュ政権で策定された「落ちこぼれ防止法(NCLB法)」によって各州の学校には学力向上目標が課された。

その結果、学校は生徒の学習状況を管理するシステムをつくり、テストの成績、授業での発言頻度、宿題の内容、提出状況等をデータベース化している。保護者もシステムへアクセスして、子どもの学習状況の情報を得ることが可能になった。

世界一の教育大国アメリカで熱心な教育改革が行われているのだから、日本ではそれ以上の改革が必要であろう。今後は、先の「行動」にて論じた大学改革に加えて、高校までの教育改革を真剣に取り組まなければならない。

2012年に文科大臣に就任された下村大臣は、真っ先に大学受験改革を実施した。素晴らしい方向性だと思う。下村大臣とともに、さらなる改革を実現していきたいものである。

1. 大学入試には複数回実施のテストを導入し、全人格的な成長を測る面接を導入せよ!

「諸悪の根源は、大学入試の方法だ」というのが、筆者の見解だ。子供の中学入試の願書を提出した時に愕然としたことを良く覚えている。願書に書いてあるのは、受験番号、氏名と小学校名程度だ。「全てペーパー試験で決めますよ」という意思表示である。小学校時代に囲碁で全国優勝しようが、サッカーで活躍しようが全く関係ないのだ。

なぜ、関係ないのか。それは、一流大学の受験でもペーパー試験のみで合格・不合格が決まり、そこに入る人数によって中高一貫校の評価が決まるからである。その中学受験のために、小学校3年生から塾に通っているのだ。

この実情が良いと思っている人は、殆どいないであろう。社会に出てからは、ペーパーテストで評価をされることは無い。どちらかと言うと全人格的な能力によって評価が確定する。だが、大学受験がペーパー試験だから、中学受験の方法を変更できないのだ。まさに、大学受験が諸悪の根源だと思っている。

その大学入試に関しては、1回勝負/知識偏重の1点刻みの評価という批判は大昔からある。また、本来の趣旨と異なり、事実上学力不問の選抜になっている一部の推薦・AO(アドミッション・オフィス)入試が、大学入学後の学生の学力低下、学習意欲低下に繋がっているとの批判も多くなってきている。

政府は、現在の大学入試センター試験に代わる、複数回実施される「達成度テスト」の導入を提言している。高等学校の教育課程における基礎的・共通的な教科・科目について、高等学校在学中に複数回受験できる仕組みになる予定だ。

アメリカやイギリスでは、大学受験に際して年に複数回の共通テストを受ける事が可能な制度となっている。アメリカでは、SATとACTという2つの共通テストがあり、SATは年7回、ACTは年6回受験できる。ハーバード大学などの難関私立大学は、共通テストの成績に加えて推薦状やエッセイ、面接などで選抜を行っている。

日本においても、テストの実施機関や運営などの課題はあろうが、導入する達成度テストについては、なるべく多くの受験機会を可能とするのが望ましい。

また、ペイパーテストによる知識偏重ではなく、学生の行動力や志、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を評価するために、大学入試担当の職員を増やし、推薦状やエッセイ、面接などを取り入れるべきであろう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら