内紛、離党、分裂が相次ぎ、流動化する野党。「江田新党」は再編の要となれるのか。


野党の流動化が止まらない。みんなの党から江田憲司前幹事長ら14人が離党したと思ったら、日本維新の会では東国原英夫衆院議員が離党し、議員辞職する。民主党でも山口壮衆院議員や、少し前には落選中の鈴木寛・元参院議員らが離党している。

江田は民主党の細野豪志前幹事長や日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長らと「既得権益を打破する会」を結成する一方、自身も近く新党を立ち上げる予定だ。

はたして、こうした動きは野党再編につながるのだろうか。

結論から言うと、政治家はだれでも「新党を作るなら政策の一致が大事だ」と言うが、実は政治が政策だけで動くわけでもない。だから、目先の利害損得を優先した結果、間違って事実上の再編になってしまう可能性はある。ただし、それで長続きするかといえば、無理だろう。

政策一致でも、ガバナンスめぐり対立したみんなの党

まず、江田離党の経緯から見る。「政策の一致が政党の原点」と考えるなら、みんなの党ほど政策が一致していた政党はない、と言ってもいいくらいだ。地域主権や公務員制度改革、金融緩和重視、増税の前に行政改革といった主要政策は当初から首尾一貫していた。

それがなぜ分裂に至ったか。江田側からみると、党のガバナンス問題が最初の引き金を引いた。

江田は「年間17億円に上る政党助成金や2億円を超える立法調査費のブラックボックス化、参院選の公認手続き問題」などを指摘していた。離党直前には、私に「渡辺喜美代表の独断専行はもはや我慢の限界に達した」と語っていた。

会見では、特定秘密保護法案への対応をめぐって「自民党にすり寄った」と繰り返し、政治路線の違いを強調した。日本維新の会との連携をめぐって密会を重ね、破談にした渡辺の逆鱗に触れていた。だから、たしかに政治路線の違いもあるが、きっかけはガバナンス問題である。

一方、渡辺側から言わせると「江田は安保防衛問題で最初から違いがあった」という話になる。渡辺は私にそう語っている。ただし、ガバナンス問題と言われれば、党代表を務める渡辺に大きな責任がある形になってしまうから、そこは政策路線の違いを強調している、と少し割り引いて受け止めてもいい。

ただ、普通の国民から見ると、政権与党ならいざ知らず、「少数野党のガバナンス」などという話はたいした問題ではない。「党内事情なんて私たちには関係ないよ」という話である。

国民は自分たちの代理人として国会議員を選んでいる。代理人は国民の期待に応えるように仕事をしてくれればいいのであって、国民と代理人の委託契約からみれば、代理人同士の内輪もめ=政党の内紛は本質的に重要な話ではない。

マスコミや興味本位で政治を眺める国民の中には「政治家同士のケンカ、内紛こそが面白いのだ」と思う人もいるかもしれないが、それより「あ~あ、困ったもんだな」と冷ややかに見ている向きが多いのではないか。正直言って、私もその1人である。

残念ながら、これが政治の一つの側面なのだ。つまり、政治はけっして政策だけではない。たとえ政策の大きな方向性で一致していても、肝心のプレーヤーが「あいつとは一緒にやれない」と思い込んでしまえば、党が崩壊することもある。

ガバナンス問題が理由で仲違いが激しくなったところへ、維新との連携をめぐる対立、さらに特定秘密保護法案をめぐる自民党との距離感の違いが重なって、もはや後戻りできなくなった。それが分裂劇の真相であるように見える。

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