花園へ!「日本一の公立高」のラグビーは考えさせて勝つ
部員は72人。東大、京大、一橋大のラグビー部に、各3人のOBが在籍。浦和高では毎年12月に、クラス対抗のラグビー大会が行われる。卒業生に宇宙飛行士の若田光一氏ら多士済々

 夜8時前、練習を終え泥だらけになった埼玉県立浦和高校ラグビー部の柴田尚輝主将(3年)が、笑顔を見せた。

「これから10時ごろまで、学校に居残って勉強します。家に帰るとだらけてしまうんです。3年生の部員の多くが京大や一橋などの国立志望。年が明けたらセンター試験がありますから、受験勉強も勝負時です」

今年の東大合格者数は46人。埼玉で随一、全国の公立高でナンバーワンの超エリート校が、40校以上が参加する県大会を制し54年ぶりに全国大会(花園)行きを決めた。京大や一橋大など、難関国立大にも二桁の合格者を出している。

 監督の小林剛氏(39)は、浦和高の強みを〝速いディフェンス〟と解説する。

「入学前にラグビーをしていた生徒は、学年に一人いるかいないかです。個々の力では、強豪校にはかないません。実力が上の相手に気持ちよくプレーされれば、簡単に突破されるのは当たり前。だから考える時間を与えず、速くタックルする。一歩でも前でコンタクトして、攻撃態勢をとらせないことが大切なんです」

日が暮れて暗くなった浦和高のグラウンドに、「前に出ろよ!」「それじゃ遅いだろ!」と選手たちの声が響く。倒れてもすぐに立ち上がり、「オー!」と叫びながら相手の膝にタックルを決める。練習は週6日。学業の妨げになるため、朝練は行わないという。

小林監督が目を細める。