税の無駄遣いをチェックする独立機関
検査の独自性と自主性を強める[会計検査院]

安倍晋三首相(右に2012年度決算検査報告を手渡す河戸光彦会計検査院長=首相官邸で11月7日

国の財政が悪化する中で、税の無駄遣いをチェックする会計検査院の役割がますます重要になっている。国会と裁判所に属さず内閣からも独立した憲法上の機関である検査院は、時代の要請を受けてその任務と権限を拡大してきた。1997年と05年の2回の会計検査院法の改正で、検査院が必要と判断した場合には各年度の検査報告作成の前に随時、国会と内閣に報告できることになったほか、国会からの検査要請を受けるようになったことでその存在感を高めた。検査で指摘を受けて是正改善された財務上の効果額は12年度だけでも1兆8068億円という試算もある。一般にはなじみが少ない会計検査院の組織と仕事ぶりの一端を紹介する。

検査院の前身は、明治維新直後の1869(明治2)年に太政官のうちの会計官の一部局として設けられた監督司だ。80(同13)年に太政官直属の財政監督機関となった。89(同22)年に公布された大日本帝国憲法に定められ、天皇に直属する独立の官庁として財政監督を担ってきた。

戦後の日本国憲法は90条で、国の収入支出の決算はすべて会計検査院が検査し、内閣は検査報告とともに国会に提出することと定められた。これを受けて会計検査院法も施行され、内閣に対して独立の地位を有するものと定められた。この時点で国会との関係が緊密になり、検査の対象が拡充され、検査結果を行政に反映させる方法が確立された。

明治維新直後に前身の組織できる

検査院の組織は、意思決定機関である検査官会議と検査を実施する事務総局からなる。検査官の任期は7年で、衆参両院の同意を得て内閣が任命する。検査の独立性を確保するために在任中は身分が保障されている。

事務総局には官房のほかに第1局から第5局まであり、職員約1200人が全省庁と政府関係機関や独立行政法人、国の補助金などを受けた地方自治体などを検査している。国有財産や国の債権、債務の検査だけでなく、国が出資している法人や組織も対象だ。事務総局には特定の検査対象を持たず、機動的かつ横断的に検査に取り組む特別検査課などもある。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら