毎日フォーラム~毎日新聞社
2013年12月26日(木) 万年野党事務局

ガスの利用状況で「みまも~る」
東京ガス「気づかう気持ちを形に」と送信サービス[見守り社会]

高齢者も含め都会の孤立死(孤独死)が問題になるたびに、電気、ガスの公共料金の利用・支払い状況などから異常を察知できなかったのかという指摘がされてきた。だが、実際には個人情報の壁が大きく立ちはだかる。こうした指摘の声がある一方で、あまり知られてはいないが、東京ガス(東京都港区、岡本毅社長)は「ひとり暮らしのご高齢者を気づかう気持ちを形に!」と2002年10月から見守りサービス「みまも~る」を実施している。個人情報の壁を取り払うために、1人暮らしの高齢者と見守りたい家族の思いをつないだガス会社ならではのサービスだ。

サービスの概要は1人暮らしの高齢者の日々のガス使用量を離れて暮らす家族に知らせることで、家族による見守りをサポートするというものだ。高齢者の自宅に設置したガスメーターからガスの利用状況を「ステーション24」に送信。インターネットを通じて見守る家族の携帯電話に利用状況を1日最大2回の送信をしてくれる。メールは1時間ごとのガス使用量が表示されるため、使用量によって食事時間帯や入浴の時間帯などを推測することができる。また、ホームページで過去1週間のガスの利用状況を照会することもできる。日別時間別の使用状況がまとめてグラフで表示されるので、1週間の行動パターンなども確認することができる。

通信会社や警備会社などが提供する同種のサービスは、屋内に置いたセンサーなどが人の動きを感知して、家族に知らせるシステムが主流で、どうしても「見られている」という抵抗感が高齢者側にある。これに対して「みまも~る」は普段通りにガスを使った生活をするだけなので、高齢者側のストレスが少ないのが特徴だ。

そもそも同社はガス漏れなどを検知した際の緊急通報、外出先からガスの消し忘れの確認や遮断依頼など家庭内の「防災」をサポートするサービス「マイツーホー」を1989年から始めていた。このシステムを応用し、「防災」の観点から高齢者の見守りサービスへと展開していった。

同社が扱うガスメーターは約1098万件(13年3月末時点)。「マイツーホー」の加入者数は約40万件。「通信機器・監視システムの整備を進めていた背景があったからこそ、高齢者対策への展開が可能だった」と同社ステーション24フィールド技術・推進チームの横山睦人チームリーダーは説明する。

サービス料金は月額987円(初期加入料金5250円)で、見守りと同時にガス漏れなどのマイツーホーのサービスも提供してくれる。加入件数はサービス開始時期から年々増加傾向にあるが、今年3月末で352件。横山リーダーは「利用者の数の問題ではなく、必要とされる方がおいでになり、好評をいただいているという意味は大きい」と話す。

実際に利用者向けに実施したアンケート(複数回答可)では「離れて暮らす心配が軽減できた」という声が、見守る側(65人中57人)も見守られる側(34人中22人)もトップで、見守られる側では22人が「普段通りガスを使うだけで『元気だよ』というメッセージが自動的に伝わるところがいい」と答えている。「特別な新しい器材や操作が必要な見守りサービスは高齢者はなかなかなじめない。日常生活を何も変えずに見守りができる点がいい」「普段よりガス使用量が多くなった時は体調がよくないことが経験で分かってきた。高齢者が心配かけまいと大事なことを言わないので助かっている」などとの声も寄せられている。

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