[BCリーグ]
福井・織田一生コーチ「来季こそは前期優勝を!」

 今季の福井ミラクルエレファンツは、前期は8勝24敗4分で最下位に終わりましたが、後期は一転、17勝16敗3分で優勝と、まるで電池のプラスとマイナスのように両極端に分かれたシーズンでした。

 前期は開幕から3試合連続で引き分けが続き、4試合目でようやく1勝したものの、そこから4連敗と序盤で後れをとってしまいました。今考えると、引き分けをどうとらえるかによって、違っていたのかもしれません。引き分けは、確かに勝利ではありませんが、逆に言えば、敗戦でもないわけです。ところが、3試合連続での引き分けを「自分たちはまだ負けていない」とプラスに考えるのではなく、「勝てていない」「勝てたゲームを逃してしまった」とマイナスに考えてしまったのです。

 そんな状態から後期にはチームを立て直すことに成功し、優勝したわけですが、これは前期の終盤に気持ちを切り替え、後期に向けての準備をし始めたことが功を奏したのです。普通、シーズン中は目の前のゲームを取ろうと、主に週末にあるゲームにピークをもっていくための調整をしていくわけですが、前期の終盤、ミラクルエレファンツでは後期に向けて、一から身体づくりをし、それこそ冬のような練習を開始したのです。

 その結果、夏場以降、他球団のピッチャーの調子が落ちていくのをよそ目に、ミラクルエレファンツのピッチャーは調子を維持し続けることができました。早めの切り替えが、後期の優勝へとつながったのです。

 とはいえ、早めに優勝を決められれば良かったのですが、富山サンダーバーズと最後までもつれたことによって、関口貴之(小豆島高-東北福祉大-九州三菱自動車)をはじめ、投手陣は厳しいローテーションとなりました。それが石川ミリオンスターズとのプレーオフにも少なからず影響したのではないかと思います。

 結局、石川には1勝2敗1分で敗れ、前年に続いての地区優勝は達成できませんでしたが、後期はどれかひとつとは選ぶことができないほど、どれも内容の濃い試合をすることができたと感じています。たとえ負けても、悪い負け方をしたというのはほとんど記憶にありません。また、首位に立ってからは一度も転落しなかったということも評価できるのではないかと思っています。

 さて、オフに入り、来季に向けての補強も進んでいます。特に今月6日に行なわれたドラフト会議で指名した石野公一郎(佼成高-東京経済大)と藤岡雅俊(桐蔭学園高-中央大<中退>)は、「2、3年以内にはNPBに指名されるだろう」という期待の新人ピッチャーです。身長183センチ、体重85キロの恵まれた体格の石野は、ほぼ完成されたピッチャーですから、故障することなく、実績を積んでいってほしいと思っています。一方、藤岡は伸びのあるストレートが武器の19歳。その期待度の大きさは、他の球団のピッチャー出身である監督に「彼はNPBにいく素材だよ。大事に育てろよ」と言われたほどです。今後の成長が非常に楽しみです。

 来季も酒井忠晴監督がチームの指揮を執ります。私もコーチ就任3年目。その来季の第一の目標は前期優勝です。3年連続プレーオフに進出し、昨季は地区優勝も達成したミラクルエレファンツですが、実はこれまで一度も前期に優勝していないのです。前期に優勝するためには、開幕からエンジン全開で勢いに乗ることが重要になります。ですから、今オフは猛特訓をして、開幕ダッシュをかけられるようにしたいと思っています。来季も福井ミラクルエレファンツの応援、よろしくお願いします。

織田一生(おだ・いっせい)>福井ミラクルエレファンツコーチ
1983年8月20日、福井県生まれ。福井高、東北福祉大、TDK千曲川、TDKを経て、2009年シーズン途中、福井ミラクルエレファンツに入団。10、11年と主将としてチームを牽引した。11年シーズン限りで現役を引退し、12年シーズンよりコーチを務める。