雑誌
2013年バカ売れした商品 2014年間違いなくヒットする商品

株価の上昇や五輪招致決定で、市場にも活況の兆しが見えつつある2013年。今年ヒットした商品はいかにして消費者の心をとらえたのか。また、一足早く来年ヒットする商品を徹底予測する—。

コンビニが面白い

「年間販売総量7億杯超」—。'13年、爆発的に売れた飲料がある。何かお分かりだろうか。

1杯100円台の価格が受けて、いま愛好者が激増しているこの商品は、コンビニコーヒーだ。特に1月からセブン-イレブン・ジャパンが本格展開した「セブンカフェ」では、今年度の販売見込みは実に約4億5000万杯、売上高は一杯100円で計算してざっと450億円。冒頭の7億杯というのは、同社を含めたコンビニ大手5社(ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップ)の今年の販売見込み総量だ。

「コンビニコーヒーの効果でこのまま行けばコーヒーの国内消費量は過去最高となる可能性が高い。業界に地殻変動をもたらした商品です」(コンビニ業界関係者)

アベノミクスや東京五輪開催決定で活況を取り戻しつつある'13年、今年も数多くの大ヒット商品が生まれた。その一覧が次ページの表。これは各業界の専門家への取材を元に本誌が選んだものだ。この表を見ながらいくつかのキーワードをもとに、今年のヒット商品の傾向を探っていこう。

まず一つ目に挙げられるのが、今年特に活況を呈したコンビニの〈プライベートブランド〉(PB)。冒頭のコーヒーもその一つだ。コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏が解説する。

「各社が質にこだわり、そして〝朝〟を狙ったことで、コンビニの淹れたてコーヒーが爆発的な支持を得ました。いままで朝にコーヒーを買う顧客はスターバックスなどコーヒー専門店に寄っていましたが、どこにでもあるコンビニで良質のものが手に入るということが、利用者にとっては大きな魅力になりました」

同様のPBでは、「金の食パン」もバカ売れした。こちらは1斤250円と、一般的な食パンのほぼ倍の価格ながら4月の発売開始から4ヵ月で1500万個を突破する売れ行き。業界内で〝食パンの既成概念を打ち破った〟と言われる。

「若者がメインに利用していた頃と比べると、いまのコンビニは〝大人の店〟にもなりました。金の食パンがヒットしたのはその象徴です。利便性だけでは訪れなかった、主婦やシニア世代など品質を求める消費者に満足してもらえる商品を展開し始めたのが大きいです」(前出・吉岡氏)

家電業界でも〈既成概念を打ち破った〉商品がヒットした。油を使わずに揚げ物を調理できるノンフライヤーが代表だ。商品ジャーナリストの北村森氏が語る。

「キッチン家電は、住宅のわずかな空きスペースをめぐっての戦いになる。ノンフライヤーは、揚げ物に特化した家電です。業界の中には、単機能の商品が競争に入り込む余地はないと見ている人も多かった。特に都心の狭い住宅に住む消費者はそういうものには手を出さないと思われていた。でも、消費者はいいと感じたら置く場所を確保するということが分かったんです」

生産元のフィリップスは当初国内で5万台売れればいいと見込んでいたが、予想以上の売れ行きを見せる。

「発売直後から品薄状態が続き、当初の4倍の20万台まで引き上げたのですが、それでも足りなくなった。年内に30万台までいく可能性もあります」(北村氏)

ノンフライヤーは一台2万9800円(実勢価格)なので、30万台に到達すれば売り上げは約90億円にのぼる計算だ。

ちなみに想定以上に売れたという意味ではアレルギー専用鼻炎薬アレグラFXもそうだった。

「昨年までは医療用の処方薬だったのですが、昨年末に一般用薬品としてドラッグストアでも買えるようになりました。即効性がある一方、眠くなりにくい特徴があり、発売されてから、今年の8月までに約22億円売り上げています。大衆薬市場が伸び悩むなかで、ヒットの目安と言われる年間10億円の売り上げを半年で超えました」(『ドラッグマガジン』誌の菅原幸子氏)

今夏は真夏日が続いたため来年の春まで花粉の飛散量が増える見通しで、花粉症対策の現時点での決定版として引き続き売れそうだ。

また、軽自動車で大人気だったホンダN BOX。「低価格ながら質の高さが受けており、軽自動車だけではなく、普通自動車部門を合わせても1位と、稀にみる好調ぶり」(自動車評論家の国沢光宏氏)と、こちらも来年まで好調を維持しそうな商品だ。

'13年は〈ご当地〉商品にもヒットが目立った年だった。遷宮を迎えた伊勢・出雲旅行や、ここ最近テレビに出ずっぱりの「くまモン」「ふなっしー」などのゆるキャラ、高品質な地ビールとして人気を博したクラフトビールといった地方発のものだけではなく、二大都市に大型の商業施設が誕生した。4月に大阪・梅田に開業したグランフロント大阪は、開業1ヵ月で760万人以上が訪れ、その後も昨年オープンした東京スカイツリーと同等のペースで集客。また東京では東京ステーションホテル(東京SH)がヒットした。

「『大丸有』(大手町、丸の内、有楽町)と呼ばれるこの地域はいま再開発が進んでいて、これから特にホテルの激戦区になっていきます。東京SHは、大丸有のシンボル的な存在です。日本の建築はこれまでスクラップ&ビルドでしたが、最近は明治・大正時代の旧い建物が見直されてきている。そんななか、東京SHは開業当初の東京駅ホテルを復原していて、そのレトロなイメージが受けました」(観光ジャーナリスト・千葉千枝子氏)

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら