特定秘密保護法でも「国民の知る権利」は現行法より悪くはならない!安全保障とのバランスから必要悪として受け入れるべきだ

特定秘密保護法がすったもんだの末、成立した。議会の一般論としていえば、十分に議論したほうが望ましい。今臨時国会は10月15日に召集された。安倍首相が10月7、8日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するために設定されたスケジュールだ。反対論の立場からすれば時間不足は否めないだろうが、法律としてみればどうか。

反対論者は、この法律で国民の知る権利が侵害されるというが、現行法と比べてどうなのか。現行法があまり国民の知る権利をサポートしていないという意見もある。結論から言えば、特定秘密保護法は現行法より少しはましになっている。

しばしば、60年も秘密を明らかにしないのはおかしいという議論が行われる。しかし、そうした意見は何と比較しておかしいのかを指摘しないと、具体的にどうすべきなのか言えないまま、感情論になってしまう。マスコミの議論によくありがちだ。

現行法でも、守秘義務事項や公開対象外は永久に秘密

まず、今の法律における守秘の状況を明らかにしておこう。

秘密の保護に関する法律はいろいろある。公務員などについては、国家公務員法100条、自衛隊法59条、日米地位協定刑事特別法6条・7条、地方公務員法34条、独立行政法人通則法54条、国立大学法人法18条がある。また、公務員でなくても、医師などには刑法134条があり、そのほかにも弁護士23条など、広範囲の職業について守秘義務がかかっている。

これらの守秘義務は退職後にもかかるので、解除されることはない。つまり、60年どころか担当者が死ぬまで守秘義務がかかり、その引き継ぎ者も同じであるので、永遠に秘密が継続される。

1999年から情報公開法が施行されているが、守秘義務がかかっている秘密は情報公開の対象外となる。今の制度では、各省ごとの文書公開でかからない限り、永久的に秘密のままだ。